どうも、パン職人Ken(@pansyokunin_ken)です。
パンは美味しい食べ物ですが、主食として考えた時に、ご飯と比べると加工食品である分カロリーが高くなってしまうのは事実です。
最近はダイエット中の方やカロリーを気にする方向けに低糖質パンが販売されているのをよく見かけますが、低カロリーなパンを自分で作ってみたい!という方もいると思います。
私はお家でパン作りをよくするので、低糖質パンにもチャレンジしてみたんですけどあまりおいしく出来ないんです…
「低カロリーなパン=低糖質パン」というイメージがあるようで、とりあえず砂糖の量を減らせばいいと思いがちですが、低カロリーと美味しさを両立させようと思うと実はそんなに簡単な話ではないんですね。
そうなんです!砂糖を減らして作ってみたら味が変わるのはもちろんなんですが、なんだかパサパサしてしまって美味しくないんです。
それではそういった事を踏まえつつ低カロリーなパンを作る時に役立つ材料の考え方について説明していきますね。
目次
低カロリーなパンの決め手は2つの材料
低カロリーなパンを作る際の材料選びで決め手になるのは2つの材料です。それは、
- 砂糖
- 油脂
この2つです。
パン作りをする際に頻繁に使う材料は小麦粉、砂糖、油脂、イースト、水、卵ですよね。
この中で簡単に量を調節できるのが砂糖と油脂です。
低カロリーかつ美味しく食べられるパンを作る場合は砂糖と油脂の量を上手にコントロールしてパン作りをすると良いでしょう。
もしかしたら「小麦粉よりも全粒粉やライ麦粉の方がカロリーが低いからそちらを使った方が良いのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに小麦粉の方が全粒粉やライ麦粉よりもカロリーが高いのですが、実際のパン作りを考えると全粒粉やライ麦粉100%でパン作りするということはほぼありません。
難易度が非常に高く、特殊な材料が必要になるため、家庭でのパン作りには残念ながら適していないのです。
ですから全粒粉やライ麦粉を使うとしても小麦粉の1割から多くて2割程度を混ぜて使うことになるので、大きなカロリーの違いにはならないはずです。
美味しくて低カロリーなパンと材料の性質
低カロリーなパンを作る場合に砂糖と油脂の量を上手にコントロールした方が良いと説明しましたが、美味しさを良質させるためにはただ単に減らせばいいということではありません。
なぜなら砂糖や油脂は味以外にもパンに色々な影響を与えているからです。
砂糖を減らすとパンはこうなる
砂糖は実はパンに甘さをつける以外にも色々な働きをしています。
まず砂糖はパンのしっとり感を長持ちさせる効果があります。
砂糖は水と仲が良く、砂糖を入れることで水分をパンの中に抱きかかえてくれます。これによってパンのしっとり感が長持ちするようになります。
また、砂糖はパンの焼き色をきれいに付け、パンに香ばしい風味を付ける働きもあります。
逆を言えば、ある配合のレシピから単純に砂糖だけを減らしてしまうとパンがパサパサした食感になりやすくなり、焼き色も付きづらくなります。
油脂を減らすとパンはこうなる
油脂はパンに風味を付けるだけでなく、パン生地が滑らかに伸びるように働きかけ、パンがふわふわになる効果があります。
油脂が入らないパンはパン生地がプリプリになり、油脂が入っているパン生地ほど伸びてくれません。
こういった生地はパンを焼いた時に大きく膨らまず、硬く詰まったような食感になります。
砂糖も油脂も入らない代表的なパンはフランスパンです。フランスパンはどちらかといえば中身(クラム)がパサパサしがちで表面は硬く、お店で買ってきた翌日にはカッチカチになってしまいますよね。
単純に砂糖や油脂を減らしたり無くしたりしてパンを作ると簡単に言えばフランスパンのような食感のパンに焼き上がるということです。
もちろん硬いパンが好きな人はそれでいいのかもしれませんが、食べ慣れない人にとっては美味しく感じられないかもしれませんね。
美味しいパンと低カロリーなパンを両立する方法
先ほども説明した通り、砂糖や油脂を全く入れないパンはあります。フランスパンですね。
なので美味しくて低カロリーなパンを食べたいと思った時に、フランスパンが美味しいと感じる方なら「フランスパンを食べる」というのが一番簡単な方法だと思います。
ただ、フランスパンは硬すぎて苦手という方も多くいらっしゃると思うので、美味しいパンと低カロリーなパンを両立するアイデアを2つ紹介します。
一つ目はシンプルに砂糖と油脂の量を減らすという方法です。
ただ、ゼロにしてしまうとフランスパンになってしまうので、適度に減らしてあげるということですね。
食パンの一般的な配合では、小麦粉100gあたり砂糖は7g、油脂も7g程度配合します(お店によってレシピは異なるのであくまで一般的な配合です)。
このレシピから砂糖と油脂を小麦粉100gあたり2gまで減らすとソフトフランスパンの一般的な配合になります。
このソフトフランスパンという生地は名前の通り柔らかいフランスパンの生地で、食パンほど砂糖や油脂が入らず、かつフランスパンほど硬くないというパンを焼くことが出来ます。
もちろん食パンほどしっとりふわふわにはなりませんが、この程度までなら砂糖と油脂の量を減らしても美味しく食べられるのではないかと私は思います。
二つ目は水の量を増やすという方法です。
フランスパンは砂糖も油脂も入らず、一般的な配合で焼いたフランスパンは硬い食感です。
しかし、中には多加水といって一般的な配合よりも水をたくさん加えて焼いたフランスパンがあり、こういったフランスパンは皮(クラスト)が薄くてそこまで硬くなく、中身(クラム)は非常にしっとりもちもちした食感になっています。
この様に水の量を増やすことで砂糖と油脂の量を減らしてもしっとりした食感を出すことが出来ます。
ただし、水の量を増やすとパン生地はベタベタするので扱いが難しくなります。それを踏まえ、増やす量は小麦粉100gあたり水を2~3g程度までにしておいた方が失敗しないと思います。
まとめ
どうだったでしょうか?美味しくて低カロリーなパンを作る際の材料の考え方は
- ただ砂糖と油脂を減らすだけでは上手くいかない可能性がある
- 減らすならソフトフランスパンの配合がおすすめ
- 生地がベタベタしない範囲で水を増やすのもアリ
ということでしたね。
なるほど、砂糖や油脂が関係しているのは味だけじゃないんですね。
その通り!食感やボリュームにも大きく関わっているので、ただ単に減らしたりゼロにするのではなく、今回の内容を参考にしてチャレンジしてみて下さいね!
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