どうも、Kenです。
私Kenがお答えするパンのQ&Aコーナー第7回目、今回の質問はこちらです!

「パン作り初心者なんですがパンが上手く膨らまないです。材料はちゃんとレシピ通り入れているはずなんですが…なんでですか?」
せっかく作ったパンが上手く膨らまないとがっかりですよね。でも特にパン作り初心者はパンが上手く膨らまないということは起きがちです。
材料はちゃんとレシピ通り入れているということなのでちゃんとイーストは入っているとして、他にはどんな理由が考えられるでしょうか。これから説明していきますね!
原因その1:捏ねが足らない
一番最初に考えられる原因、それは
パン生地の捏ねが足らない
ということです。
ホームベーカリーでパンを作る場合はほとんど起こらないはずですが、手ごねでパンを作る場合は起きがちです。パンが上手く膨らむためには
- グルテン
- イーストが作り出す炭酸ガス
この2つが必要なんですね。
グルテンと言うのは膜の様なもので、グルテンの膜が炭酸ガスで膨らむことでパンが膨らむんです。イメージとしては風船ですね。風船のゴムを息で膨らませているようなものなんです。
このグルテンがしっかりとできていればちゃんと膜ができているので膨らむんですが、グルテンのつながりが弱いとイーストが作り出した炭酸ガスを抱えていることができないんです。膨らませる前の風船に針で穴をあけておいたら、いくら息を吹き込んでも風船は膨らまないですよね。それと同じことなんです。
ではグルテンがしっかりできない原因はなにかというと、パン生地の捏ねが足らないからなんですね。特に
バターやマーガリンなどの油脂を使うパン
の場合は注意が必要です。
バターやマーガリンはグルテンをバラバラにしてしまう働きがあるので、特にしっかりと捏ねないとパンが膨らまないんです。バターやマーガリンなどの油脂を使う場合はまず出来上がりの7割程度まで油脂を入れずに捏ね、その後で油脂を入れて再び捏ねるようにしましょう。
油脂が入った生地は出来上がるととても薄く伸びます。生地を少しちぎってゆっくりと優しく引っ張ってみて下さい。指紋が透けて見えるくらい薄い膜が出来上がればちゃんと膨らむ生地になっています。
原因その2:生地の温度や気温が低い
原因の二つ目は
生地の温度や気温が低い
ということです。
先ほどパンが上手く膨らむためにはグルテンとイーストが作り出す炭酸ガスが必要ですよと書きました。一つ目の原因である「捏ねが足らない」というのはグルテンに関係していることでしたが、生地の温度や気温はイーストの働きと関係しています。
イーストは微生物であり生き物なので、イーストがどれくらい元気に働けるかは温度の影響を強く受けます。特にご家庭でのパン作りの場合は発酵室を用意することが難しいので、夏場は良いのですがそれ以外の季節では部屋の温度が下がってしまってイーストにとって最適な環境を用意するのが難しくなります。
イーストにとって最適な温度は、
- 捏ね上げ温度(パン生地を捏ね上げた時の生地の温度)は、食パン生地や菓子パン生地などは27℃。フランスパンなど長時間発酵させるパンで24℃。
- 一次発酵させる部屋の温度は28℃
- 最終発酵させる部屋の温度は食パンや菓子パンなどで38℃、フランスパンなどで28℃
となっています。
ご家庭でパン作りをするとなるとここまできっちり温度管理をするのは難しいですよね。ご家庭では夏場を除き、温度が適温よりも下がることの方が多いと思います。もし配合はバッチリ合っていて、生地の捏ね具合も問題ないのに上手く膨らまない場合はちょっと温度が高めのところに生地を置いておくくらいのつもりでちょうどいいと思います。