フランスパンに入れる「クープ」って何?クープを入れる意味とは

どうも、パン職人Kenです。

あなたはフランスパンってよく食べますか?

個人的にはフランスパンは大好きで、特にバゲットが好きです。

2センチ程度にスライスしてトーストし、バターを塗るだけで十分美味しく頂けます。

日本人はフランスパンを食べ慣れない人が多いと思いますが、本当に美味しいフランスパンに出会えるときっと今までとは違ったパンの世界と出会うことが出来ますよ!

さて、今回はそんなフランスパンに関わる「クープ」について説明していきます。

フランスパンのクープと言われて何のことか分かりますか?

実際にフランスパンを作った経験が無いと聞きなれない言葉だと思いますが、このクープは美味しいフランスパンを作るためには絶対に必要なものなんですよ!

 

フランスパンの「クープ」って何?

では早速説明していきます。

フランスパンのクープとは、フランスパンの表面についている切込みの模様のことです。

表面の切込み(模様)がクープです。

クープ(coupe)とはカットするという意味のフランス語です。

その意味する通り、フランスパンの表面にカットを入れる作業のことやカットの切込みそのもののことをクープと呼びます。

均等に、かつ上手にクープの入ったフランスパンは見た目が美しく、非常に美味しそうに見えます。

実はこのクープ、見た目だけではなく実際の美味しさにも影響を与えるんですよ。

 

フランスパンにクープを入れる理由とは?

クープを入れる理由は決して見た目を良くするためだけではありません。

仕込みはOK、発酵状態や成形もOKでも、クープでミスをしたらそのパンはロスになってしまうくらい品質に直結したものなんです。

ではクープを入れる理由は見た目以外に何があるのでしょうか。

その理由というのは、実は水蒸気の出口を作ってあげることなんです。

パンは高温のオーブンで焼きますが、その際に生地中の水分が水蒸気となって逃げていきます。

フランスパンの場合、配合がリーン(砂糖や油脂入れない)なので生地にあまり伸展性がありません。

そのため水蒸気の出口を作ってやらないと生地から出てくる水蒸気に皮(クラスト)が耐えられず、破裂してしまうんですね。

これがリッチ(砂糖や油脂が多く入る)な配合の菓子パンのような生地ならば、発生する水蒸気と共に生地がふわふわに膨らむので大丈夫なんです。

ロールパンにクープは入れないですからね。

ですがフランスパンの場合そうはいきません。

クープが上手に入っていないと必要以上に生地に水分が残り、ねちゃねちゃの食感になります。

反対にクープが深すぎると切込みがバックリと割れてしまい、見た目が悪く商品価値が無くなってしまいます。

クープがバックリと割れているとそこで口を切ってしまう危険性もありますからね。

この様にフランスパンのクープというのは見た目だけでなく、美味しさにも大きく関っています。

もしベーカリーでフランスパンを買う機会があれば、このクープも注意してよく見てから選んでくださいね!