どうも、パン職人Kenです。
あなたは全粒粉入りのパンって好きですか?
私は個人的には結構好きなんですが、あまり日本人には馴染みのないパンかもしれません。
パン作りによく使う強力粉をはじめとした真っ白な小麦粉は小麦の胚乳の部分しか使いませんが、胚乳以外の部分も全て製粉したものが全粒粉になります。
全粒粉は真っ白な小麦粉と比べて栄養価が高く、独特の風味や食感があるんですね。
健康を意識している方や、全粒粉特有の風香味が好きな方に好まれている全粒粉入りのパンですが、ベーカリーで見かける機会はあまり多くないと思います。
ハード系のパンにこだわりを持っているベーカリーなどでないと売ってないんじゃないかなと思うんですよね。
たまに大手メーカーさんの袋入りのパンで全粒粉入りの物を見かけることもありますが、常に店頭に並べられているイメージはありません。
ですから「全粒粉入りのパンを家庭で作りたい!」と思う方もいるんじゃなかなと思うんです。
全粒粉入りのパンは強力粉や中力粉を使ったパンと違い、注意しておかないといけないポイントがあります。
今回はそういった全粒粉を扱う上での注意点についてお伝えしていきますね!
全粒粉は強力粉や中力粉とあわせてパン作りをすることが多い
全粒粉は真っ白な小麦粉(強力粉や中力粉)とは違った特徴がいくつかあります。
それにより、全粒粉100%でパンを作るのは難しく、多くの場合強力粉や中力粉とあわせてパン作りをします。
全粒粉には
- 小麦の表皮の部分などが大きな粒として残るのでグルテンができにくい
- 胚芽部分に含まれる油分などの影響でグルテンができにくい
- 真っ白な小麦粉と比べて油脂分が多いので冷蔵保存が必要
このような特徴があります。
これらの特徴はパン作りにおいてはマイナスに働くため、製パン性を高めるために強力粉や中力粉をあわせてパン作りをするんですね。
全粒粉パンを作る場合は全粒粉を何%入れればいい?
全粒粉パンを作る場合に全粒粉を何%入れたらいいか迷う場合があると思います。
味に関してはもちろん好みの問題なので何%入れてもOKです。
ただ、作りやすさという部分を考えるとまずは全粒粉を10%~20%配合するところから始めてみるのが良いと思います。
先ほどもお伝えしたように全粒粉は真っ白な小麦粉と比べてグルテンができにくいという特徴があります。
家庭用のミキサーをお持ちならばもう少し全粒粉の配合を多くしても生地は作れると思いますが、手捏ねの場合はなかなかグルテンがつながらないので10%程度が良いと思います。多くても20%ですね。
これは少ないように感じるかもしれませんが、全粒粉を20%も配合していればしっかりと風味を感じることが出来ますよ。
ちなみに全粒粉を使ったフランスパンである「パン・コンプレ」では全粒粉を70%近く配合することもあります。

パン・コンプレ
また、ドイツパンの「フォルコンブロート」では全粒粉を90%近く配合することもあります。

フォルコンブロート
これらは正直少し食べづらいと感じるかもしれませんが、興味があれば一度食べてみてもらいたいと思います。
ただ、どちらも扱っているベーカリーは少ないですけどね。
こういった全粒粉を多く配合したパンは家庭で作るには難易度が高いです。
ですが先ほどお伝えしたように10%~20%程度の配合でも十分美味しい全粒粉入りパンを作ることができますので、ぜひチャレンジしてみて下さいね!