どうも、パン職人Kenです。
今回はバターなどの油脂をたくさん使ったレシピでパン生地を作る際の注意点について解説していきます。
ふわふわなパンを作るためには欠かせない材料の一つである「油脂」ですが、実は油脂をたくさん使ったレシピでパン生地を作る際は、しっかりと注意点を把握したうえでパン作りをしないとふわふわなパンに焼き上がらない可能性があります。
菓子パンやバターロールなどのパンを作る予定のある方は、ぜひこの記事をチェックしてからパン作りに取り組んでくださいね!
大量の油脂がグルテンをバラバラにする?
バターやマーガリン、ショートニングなどの油脂をパン生地に入れると、パン生地がソフトになり、伸びやすい生地になることでふんわり柔らかいパンに焼き上がります。
なぜこういった事が起こるかというと、一度出来上がったグルテンの間に油脂が入り込み、グルテンの伸びやすさ(伸展性)が増すからです。
(ちなみに油脂が入るパンの多くはまず油脂を入れずにグルテンが7割程度つながるまでこね、油脂を入れてから再びしっかりとグルテンができるまで捏ねます。)
ふわふわなパンを作るためにはプラスに働く油脂ですが、実は油脂には「グルテンをバラバラにする」という働きもあります。
このことをちゃんと知った上でパン作りをしないと、生地を上手く作れずに失敗してしまうかもしれません。
油脂をたくさん使ったレシピでパン生地を作る際の注意点
油脂の持つ「グルテンをバラバラにする」という特徴を知った上で気を付けるべき「油脂をたくさん使ったレシピでパン生地を作る際の注意点」とは一体何でしょうか?
それは「生地をしっかりと捏ね、油脂を入れる前にグルテンを十分つなげておくこと」です。
先ほども触れましたが、油脂を入れる前にはグルテンを7割程度つながった状態にします。これをしっかりと守るということですね。
特に手捏ねでパンを作る場合は捏ね具合が不足しがちなので要注意です。
グルテンのつながり具合が不十分なまま大量の油脂を投入してしまうと、ただでさえ不足しているグルテンのつながりが更にバラバラになり、もはや手が付けられないくらいベッタベタになってしまいます。
こうなってしまうと手間と時間をかけてひたすら捏ね続けなければならなくなり、余計パン作りが大変になってしまうんですよね。
ですから油脂をたくさん使ったレシピでパン生地を作る際は「生地をしっかりと捏ね、油脂を入れる前にグルテンを十分つなげておく」という注意点をしっかりと守ってパン作りに取り組んで下さい。
油脂の性質を反対に利用した製法も
油脂はグルテンをしっかりとつなげてから投入し、しっかりと捏ね直すことでソフトで伸びやかな生地を作ることができますが、グルテンをバラバラにしてしまう性質も持っています。
この性質を反対に利用して「最初から油脂を入れて生地を捏ねることであえてグルテンをつながりにくくし、歯切れのよい生地を作る」という製法もあります。
これは「オールイン」と呼ばれる製法で、ソフトフランスなどのサクッとした食感を出したいパンなどで使われる製法です。
この様に油脂を入れるタイミングを変えることでソフトでふわふわなパンを作ることも出来ますし、サクッとした歯切れのよいパンを作ることも出来ます。面白いですよね!
ちょっと余談でしたが、ぜひこういった油脂の性質を理解し、美味しいパンが作れるように頑張ってくださいね!