どうも、パン職人Kenです。
美味しいパンを作るために気を付けないといけないポイントはたくさんありますよね。
例えば生地の捏ね上げ温度や一次発酵の温度・時間、発酵状態の見極めやオーブンの温度など、挙げればキリがありません。
そんな中で実は意外と大切なのに見落としがちなポイントの一つに「湿度」があります。温度じゃないですよ!湿度です。しつど。
湿度が高すぎたり低すぎたりするとパンの美味しさにも影響が出てきますので、今回は美味しいパン作りと湿度の関係について説明していきますね!
湿度が高いor低いとパンはどうなる?
なぜ湿度がパンの美味しさに影響してくるのでしょうか?湿度が高すぎる場合と低すぎる場合にパンがどうなるのかを解説していきます。
湿度が高いとこんな問題が…
パン生地を湿度が高い環境に置いておくと、生地はベタベタになります。これは何となくイメージできると思います。
生地がベタベタになってしまうと、主に2つ困ったことが起こります。
一つ目はパンが乾かないということです。
パン生地は乾燥に弱いため、基本的には生地が乾かないように色々と気を遣うのですが、パンを焼く直前に関しては適度に乾いている方がきれいにパンが焼き上がります。
実際プロの現場でも発酵室から出てきたパンをそのまますぐに焼くのではなく、少しの間出しっぱなしにして軽く表面を乾かしてから焼いています。
ですが発酵室の湿度が高すぎるとなかなかパンの表面が乾かず、「発酵具合はちょうどいいのに表面が全然乾かないから焼けない!」ということが起こる可能性があります。
表面が湿ったままパンを焼くと、くすんだような焼き色がついてしまうので要注意です!
二つ目はパンに空洞ができる可能性があるということです。
これは特に大型のパン(食パンやカンパーニュなど)で起きやすいことなのですが、最終発酵中、パン表面の水分が多くなることで中心よりも表面の方が温度が上がりやすくなり、表面だけ発酵が進んでその部分が空洞になってしまうことがあります。
せっかくキレイに焼き上がったのに、スライスしてみたら上の方に大きな穴あきがあったなんてことも…それって残念ですよね。
湿度が低いとこんな問題が…
それでは反対に湿度が低すぎるとどんな問題があるのかというと、これはシンプルでパンが乾燥してしまいます。
先ほども少し触れましたがパン生地は非常に乾燥に弱く、パン生地を裸のまま放置しておくとすぐに表面がカサカサになってしまいます。
カサカサに乾いてしまうと生地が伸びなくなるので、いくら発酵させてもパンが膨らまなかったり、乾いた部分の発酵種(イーストなど)が死んでしまい、焼き上がったパンの表面い細かいブツブツが出てきます(この現象を梨肌といいます)。
こういった事を避けるために、焼く直前以外は常に乾燥対策をする必要があります。
美味しいパンを作るための湿度管理方法
それでは普段お家でパンを作る際の具体的な湿度の管理方法を解説します。
パン作りの工程の中で湿度がパンに大きく影響するのは一次発酵(生地が捏ね上がってから分割するまで)と最終発酵(成形してから焼くまで)の2つです。
この工程の間、湿度を適度に保っておく必要があります。
パン職人の場合は温度と湿度を設定できる発酵室を使うので簡単なのですが、普通のお家にそんなものは無いですよね。
なのでもっとアナログな方法で工夫して乾燥対策を行います。
用意してもらいたいのは「霧吹き」です。霧吹きは色々と活用する機会が多いのでぜひ用意しておいて下さい。100円ショップで売っているもので十分です。
一次発酵を行う際、もしお家のオーブンレンジに発酵機能(30℃~40℃の温度設定)がついていればそれを使うのが一番簡単です。
そして、発酵を行う時はオーブンレンジ内の壁や上部、扉の内側を霧吹きで濡らしておきます。こうしておけば適度に水分が補われ、生地が乾燥しなくなります。
よく「濡らした布巾を絞って被せておく」という方法を見ますが、もちろんこれでもOKです。ですが個人的には布巾が生地に直接触れるのが嫌なので先ほど紹介した方法でやっています。
もし発酵機能が使えなければ、生地の近くにコップ等に入れた沸かしたお湯を置いておき、生地とお湯両方を覆う様にビニール袋を被せておきます。
こうすれば温度と湿度両方を上げることができるので、簡易的な発酵室になりますよ。
ここまでは湿度が低い場合の乾燥対策でしたが、湿度が高すぎる場合はどうすればいいのかというと、お家でパンを作る場合は設備面で考えて湿度が高すぎるというケースはほとんど起こらないと思います。
あるとしてもそこまで致命的な状態にはならないと思うので、「焼きたいのに乾かない!」ということにならないように少し早めにパンを乾かすようにすれば十分対処できます。
湿度対策が上手くできればきっと一段と上手にパンが焼けるはずです!ぜひ覚えておいて下さいね。
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