専門用語集

ブログ内で使用しているパン作りの専門用語をこのページにまとめておきます。

内容は順次追加していく予定です。

一次発酵

パン生地が完成した後に生地を熟成させる工程です。

一次発酵を行うことで発酵種がパン生地中で活動し、炭酸ガスを発生してパン生地を膨らませます。

また、発酵種が生地中の糖やたんぱく質を分解することでパン特有の風味や香り、旨味が作られます。

オートリーズ

穀物の粉と水を混ぜ合わせてしばらく休ませる工程です。休ませる時間はレシピによりますが、30分~2時間程度です。

オートリーズを行うことで粉が水を吸い込み、グルテンの生成が促され、伸展性が良くなります。また、生地をこねる時間の短縮にもつながります。

オーバーナイト法

一晩かけてパンを発酵・熟成させる製法です。

生地を長時間熟成させることで、旨味や風味を十分に引き出すことができます。

多くの場合、発酵過多にならないように冷蔵庫に入れて一晩発酵・熟成させます。

一次発酵をとった後で冷蔵する場合と、成形後に冷蔵する場合があります。

糊化

でんぷんに水を加えて加熱することで、でんぷんが糊状になる現象です。

糊化したでんぷんをパン生地に練りこむことで、より多くの水を生地に配合できる、モチモチした食感にすることができる、しっとり感が長続きするといった利点があります。

コッホシュトゥック(kochstück)

穀類と水を合わせ、鍋で煮たもので、主にドイツパン作りで使われます。

事前に穀類を煮ておくことで柔らかくなり、糊化して水分を抱え込んでくれるので、これをパンに練りこむことで「糊化」の項目で記した利点を得ることができます。

こね上げ温度

パン生地ができ上った(こね上がった)時の生地温度です。パンごとに目標こね上げ温度がレシピに記載されています。

サワー種

主に小麦全粒粉やライ麦全粒粉を使って起こす発酵種です。

小麦(もしくはライ麦)全粒粉と水を混ぜ、温度を管理して置いておくと、粉に付着している微生物(乳酸菌や酵母など)が増え、自然に発酵を始めます。

発酵した物の一部と粉、水を混ぜ、発酵させる工程を数度繰り返して微生物を増やし、十分な発酵力を持ったものがサワー種です。

小麦全粒粉を使って起こしたものを小麦サワー種、ライ麦全粒粉を使って起こしたものをライ麦サワー種と呼びます。

タイクアウスボイテ(TA)

生地の硬さを示す指標で、穀物の粉の総量を100として、それに水分を合わせた数値です。

簡単に言えば、小麦粉100gに水を65g入れた生地のTAは165になります。

TA165が中程度の硬さの生地で、それよりもTAが低ければ硬い生地、高ければ柔らかい生地という意味になります。

取り板

発酵が済んだパン生地を移すために使う板です。

パン生地がくっつきにくいような加工がされた専用品もありますが、薄い板にストッキングを被せた物でも代用できます。

べたつきの少ない生地であれば、ただの板でも代用できます。

二次発酵

成形を終えた生地を発酵させる工程です。

成形によりパン生地中の炭酸ガスが抜けるため、再び発酵させることでパン生地が膨らみ、ボリュームのあるパンに焼き上がります。

初種

新しいサワー種を起こすために使う、元となるサワー種です。

スターターやシェフと呼ばれることもあります。

パンチ

一次発酵の途中で行う工程で、生地に溜まったガスを抜き、生地を伸ばして折りたたむ作業です。

生地に溜まったガスを抜き、生地中の空気を入れ替えることで発酵が促進されます。また、生地を折りたたみ重ねることで生地に力がつくため、縦にボリュームが出やすくなります。

復温

冷蔵により冷えた生地の温度を上げる工程です。

冷蔵の温度帯まで生地を冷やすと発酵種の活動が抑えられ、発酵速度が非常に遅くなります。

冷たい生地で作業を進めるとパンのボリュームが出にくくなってしまうため、復温が必要になります。

ベーカーズパーセント

穀物の粉の総量を100%とした時の、他の副材料の割合を示した数値です。

例えば強力粉100gに対して塩を2g入れるレシピなら、塩のベーカーズパーセントは2%となります。

複数の種類の粉を混ぜる場合、粉の割合の合計は100%になります。

例えば強力粉を50g、中力粉を40g、ライ麦粉を10g混ぜるレシピの場合、強力粉は50%、中力粉は40%、ライ麦粉は10%となり、合計100%になります。

ベーカーズパーセントを示すことで、レシピとは違った数量のパンを作る場合に計算が容易になります。

ベンチタイム

まるめによって引き締まった生地が緩むのを待つ時間です。

パン生地は力が加わると引き締まって硬くなる(加工硬化)ため、まるめの後はすぐに成形することができません。

時間を置くことで生地が緩み(構造緩和)、無理に力をかけなくても成形できるようになります。

ポーリッシュ法

ポーリッシュ種と呼ばれる前発酵種を使ったパンの製法の一つです。

ポーリッシュ種は多くの場合、同量の粉と水、そして微量の発酵種を混ぜたドロドロの柔らかい生地です。

この生地を長時間(12~16時間)熟成させると、発酵種の働きにより旨味・香り成分が作り出されます。

熟成させたポーリッシュ種を使って生地を作ることで、旨味や香りがより引き出されたパンを作ることができます。

前発酵種

生地を作る前に、生地の材料の一部を使って事前に仕込んでおく発酵種です。

前発酵種を仕込んで12~16時間熟成させ、それを生地に練りこむことで、パン生地に力がつく、旨味や風味が増す、保存性が良くなる、発酵時間が短縮できるなどのメリットがあります。

まるめ

分割した生地を整えて成形しやすい形に整える作業です。

ただ生地を丸くするだけではなく、分割時に出る生地の断面や、細切れの生地を生地の内部に入れ、表面をきれいに張らせます。

パンをどのような形に成形するのかによって、まるめの形も変わります(丸形、楕円形など)。