どうも、Kenです。
私Kenがお答えするパンのQ&Aコーナー第12回目、今回の質問はこちらです!
「パン作りって途中で止めることって出来るんでしょうか?パン作りって時間がかかるので途中で外出する用事がある時ってなかなか作れないのですが何かいい方法はありますか?」
パン作りは一番最初の工程である仕込みから最終的に焼きあがるまで早いものでも3時間程度かかってしまいます。これはある程度は仕方のないことではあるんですが、それでも3時間他のことが出来ないとなるとちょっと大変ですよね。
そこで今回はパン作りを途中で止める方法を説明していきます。ぜひ参考にしてくださいね。
方法その1:冷蔵発酵を行う
一つ目は冷蔵発酵を行う方法です。冷蔵発酵とはその名の通り、冷蔵庫でゆっくりと生地を発酵させる方法です。
復習になりますが、パン作りは以下の流れで進んでいきます。
冷蔵発酵とは仕込みが終わった後、つまり②の一次発酵を冷蔵庫で行うやり方です。この冷蔵発酵を行うことで仕込みが終わった後にパン作りを中断することが出来ます。
具体的なやり方は作るパンによって微妙に違ってくるので別の記事で詳しく説明しようと思いますが、この方法で中断できるのは1日まで(これも配合によって変わるのですが…)です。今日生地を仕込んで冷蔵発酵させたら明日には残りの工程を進める必要があります。
方法その2:温度を下げて長時間発酵させる
二つ目は温度を下げて長時間発酵させる方法です。
この方法はパン作りを中断するというよりも、発酵にかかる時間を長くとれるようにするやり方です。本来なら1時間で発酵が完了してしまう所を1時間半かかるようにしたり、2時間かかるようにしたりする方法ですね。ちょっとした用事ならその間に済ますことができると思います。
パンを発酵させるイースト菌は温度によって元気が良くなったり、あまり働かなくなったりします。その特性を上手く利用して発酵にかかる時間を調整しようということですね。これを行う場合は先ほどの工程表の②一次発酵もしくは⑤二次発酵の時に温度を調整します。
これもここで全て説明するには時間がかかるのでまた別に記事を書こうと思いますが、いくつか注意点を挙げますね。それは、
- 配合や外気温によってかかる時間が変わる
- 長時間発酵させることになるので十分な乾燥対策が必要になる
- 発酵の終点を見極める必要がある
この3点です。
パンの発酵はとても繊細なので、これだけ温度を下げたから必ず〇時間は発酵に時間がかかると言い切ることができません。最悪用事を済ませて帰ってきたらパンがブクブクに膨らみ過ぎて…ということもあり得ます。
またプロが使う発酵室は湿度を調整できるので乾燥対策も簡単にできるのですが、ご家庭でのパン作りではそこまで出来ないので乾燥対策が一つ問題になります。
更にこのやり方ではレシピの発酵時間の目安が当てにならなくなるので、自分で発酵の完了を見極める必要が出てきます。
方法その3:生地を冷凍する
三つ目は生地を冷凍する方法です。
この方法は先ほどの工程表の④分割・まるめが終わった段階で生地を冷凍保存するやり方です。冷凍保存することで完全に作業を中断することが出来ます。
この方法はとても便利で役立つのですが、注意点もいくつかあります。それは、
- 良く冷える冷凍庫が必要
- 冷凍した生地をおいておけるのは2日程度が限界
- パンの種類によっては使えない
この3つです。
パンを発酵させるイースト菌は冷蔵の温度帯では働きが鈍くなるものの、完全にストップはしません。もしお使いの冷凍庫の冷えが悪かったり、色々と物が入っていてなかなか温度が下がらないような状態だとイースト菌の働きをストップさせるまでに時間がかかり、発酵過多になってしまう可能性があります。
また、冷凍状態にするにあたってイースト菌は少しづつ死んでいくので長期間冷凍した生地は膨らみが悪くなったり、「梨肌」と呼ばれるブツブツが表面に出てきたりします。これは冷凍用に特別な配合にすればある程度は防げますが、そういった特別な材料を買う必要があります。
更にこの生地玉冷凍はパンの種類によっては使えません。使えるのは
- 砂糖や油脂が多く入った生地(いわゆるリッチな配合の生地)で作るパン
- 小さい生地で作れるパン
こういったパンに限られます。
例えばあんぱんやクリームパン、メロンパンなどに使う生地はこの方法が使えますが、食パンやフランスパンなどのパンは使うことができません。
今回はパン作りを途中で止める方法として3種類のやり方を説明しました。これからもっと詳しく説明した記事を書いていく予定ですのでお楽しみに!