どうも、パン職人Kenです。
今回は「パンドミ」というパンの紹介をしていこうと思います。
あなたはパンドミというパンをご存知でしょうか?
パンドミというのはこのようなパンです。
え?パンドミ?パンドミって食パンの事?
もしかしたらそう思ったかもしれません。
そういった疑問にもお答えしつつ、パンドミの紹介とパンドミと食パンは何が違うのかを説明していきますね。
目次
パンドミとはこんなパンです
パンドミとはどのようなパンなのか。その疑問にシンプルにお答えすると「フランス風食パン」です。
パンドミはフランスのパン、つまりフランスパンの一種なんです。
パンドミはフランス語で書くと「pain de mie」となるのですが、このpain de mieとは「中身のパン」という意味なんですね。
パンの中身と言われるとあまりしっくりこないかもしれませんが、これは日本とフランスのパンに対する嗜好の違いからくるものです。
フランスではフランスパンの中でもバゲットが好まれていますが、バゲットは細長いパンなので中身の部分(クラム)が太いフランスパン(バタールやパリジャン)と比べて相対的に少なく、どちらかといえば皮(クラスト)のバリバリ感を楽しむパンです。
欧米人は日本人と比べて唾液の量が多く、硬いパンでも日本人ほど食べづらく感じないと言われていますが、そういった違いからもパンに対する嗜好に違いが出てくるんですね。
そういったことから、フランスで好んで食べられるバゲットが皮を楽しむのに対して、パンドミは中身を楽しむパンなので「中身のパン」と呼ばれているというわけです。
パンドミと食パンの違いとは
パンドミと食パンは見た目では違いがほとんどありません。
ではパンドミと食パンの違いとは一体どういった部分なのでしょうか?
パンドミと食パンの配合の違いとは
まずは配合の部分で言うと、パンドミは食パンと比べて砂糖や油脂(バターなど)が少ないものが多いです。
食パンの場合は砂糖も油脂も小麦粉100gに対して8g前後入れることが多いです。
もちろんこれはベーカリー毎に違いますが基本的にはこれくらいの量を入れるのが一般的ですね。
砂糖や油脂が多く入る配合のことをリッチな配合と呼びますが、食パンはリッチな配合と言えます。
それに対してパンドミはベースがフランスパンなので砂糖や油脂の配合量が少ないんですね。
砂糖や油脂の配合量が少ないことをリーンな配合と呼びますが、パンドミはリーンな配合と言えます。
パンドミと食パンの味の違いとは
先ほどパンドミと食パンの配合の違いを説明しましたが、配合が違うことで味に大きく違いが出てきます。
食パンはリッチな配合なので、パンドミと比べると甘いです。
また、油脂も多く入っているので油脂由来の香りが強く感じられると思います。
ベーカリーによっては更に生クリームを配合するお店もあるので、そういった食パンはクリーミーな味わいや香りを感じることも出来ます。
それに対してパンドミはシンプルでリーンな配合のため、食パンと比べると素材の味や発酵の風香味で勝負するパンと言えます。
リーンな配合なので小麦粉の香りや発酵によって生じるパン独自の香りや味わいはパンドミの方が強く感じられるはずです。
毎日の朝食には食パンよりもあっさりしたパン、食パンよりも甘くないパンの方が良いと感じる方にはパンドミの方が合っているかもしれませんね。
パンドミと食パンの食感の違いとは
パンドミと食パンでは配合が異なるため、味だけでなく食感にも大きな違いが出てきます。
食パンはリッチな配合であるため、食感はしっとりふわふわになります。
パンは砂糖を多く入れることでしっとりとした食感にすることが出来ます。
これは砂糖と水の相性が良く、砂糖が水を保持してくれるからです。
また油脂が入ることで良く伸びる生地になり、ふわふわに焼き上げることが出来ます。
更に油脂の力によってしっとり感を長持ちさせることが出来るんですね。
それに対し、パンドミはリーンな配合であるため、食パンと比べてやや硬く、もちもち感を味わうことが出来ます。
砂糖や油脂の配合量が食パンよりも少ないことで食感はやや硬くなりますが、その反面さっくりとした歯切れの良さがあります。
トーストした時のサクサク感は食パンよりも強く、さっくりとした食感が好みの方はトーストしたパンドミはおすすめできます。
また食パンほど生地が伸びないのでふわふわ感が出づらい代わりにもちもち感を感じやすいと言えます。
柔らかいパンが好きという方は食パン、さっくりとした歯切れのよい食感が好きという方はパンドミがおすすめです。
美味しくパンドミを食べるためのポイントとは
ここまでパンドミと食パンの違いを説明してきましたが、パンドミを食べてみたい!と思った方のために美味しくパンドミを食べるためのポイントをお伝えしますね。
美味しくパンドミを食べるためのポイントとは、何と言っても「保存の仕方」です。
ここまで説明してきたとおりパンドミはリーンな配合なので、非常に乾燥に弱いんですね。
リッチな配合のパンであれば柔らかさやしっとり感が長持ちするのですが、パンドミはリーンな配合なので気を付けて保存してあげないとすぐに硬くなってしまいます。
フランスパンを食べる方なら分かると思うんですが、フランスパンって一日経つとカッチカチになるじゃないですか。
それと似たような状態になってしまうということなんです。
なのでパンドミはジップロックなどに入れてできるだけ空気と触れないようにして保存してあげて下さい。
もし硬くなっているようであれば軽く霧吹きをしてからトーストすることで美味しく食べることが出来ますよ。
最後に
ここまでパンドミと食パンの違いやパンドミがどんなパンなのかを説明してきました。
この記事を通してパンドミに興味を持ってくれれば嬉しく思います。
最後に一つだけパンドミを選ぶ際に知っておいていただきたいことがあるのでお伝えします。
実は、パンドミという名前で販売されていても実は食パンと大差ないものもあるんですね。
これは「パンドミというパンはこういう条件でなければいけない」という決まりがないためにこういうことが起こります。
ベーカリーによっては普通の食パンのバリエーションの一つとして、少しだけ配合が違うものをパンドミとして販売していることもあるでしょうし、同じ配合でも角食パンと山形食パンを別の商品にするために山形食パンをパンドミという名前で販売することもあると思います。
これは別に悪いことではないのですが、本物のパンドミを食べたい方にとっては分かりづらいですよね。
実際のところは配合はベーカリーによって千差万別なので、実際に食べてみて好みに合ったパンドミを探すことになると思います。
もし行きつけのベーカリーにパンドミがあれば、ぜひ一度チャレンジしてみて下さいね。
無ければ自分で作ってしまうというのも良いと思いますよ!