同じ「発酵」でも全然違う!?パン作りの大事な工程「一次発酵」と「二次発酵」の違いとは

どうも、パン職人Ken(@pansyokunin_ken)です。

パン作りをする上で欠かせない工程の一つに「発酵」があります。

パンの品質(味や香り、風味やボリューム等)は、上手に発酵が取れたかどうかで決まると言っても過言ではありません。それだけ重要な工程なんです。

さて、パン作りには「発酵」という名前の付く工程が2つあります。それは、

  1. 一次発酵
  2. 二次発酵

この2つですね。

レシピ通りに作業を進めていて、「一次発酵は〇〇℃で〇〇分置いてください」、「二次発酵は〇〇℃で〇〇分置いてください」と書いてあったらその通りにしていると思うんです。

でも一次発酵と二次発酵って、それぞれどんな目的で何をどうするために行っているのかっていまいちよく分からなかったりしませんか?

という訳で、今回はパン作りの大事な工程である「一次発酵」と「二次発酵」の違いについて説明していきますね!

 

おさらい:パン作りの工程

まずは一次発酵と二次発酵の違いについて説明する前に、パン作りの工程についておさらいしておきましょう。

パン作りの工程は以下の図の通りに進んでいきます。

ご覧の通り、発酵と名の付く工程は一次発酵と二次発酵の二つだけです。

一次発酵は生地をこねた後に休ませる時間、二次発酵は成形した後にパンを膨らませる時間というイメージを持っている方も多いんじゃないでしょうか。

そのイメージは間違ってはいませんが、それぞれの発酵の目的を説明するには不十分です。

それでは一次発酵と二次発酵の目的やそれぞれの違いについて説明していきます。

 

パン作りの重要な工程「一次発酵」の目的とは?

まずは一次発酵の目的について説明します。

パン作りをする上で一次発酵を行う一番の目的は「生地の熟成」にあります。

パンの美味しさは別として、ただ単に生地を膨らませて焼くだけなら一次発酵をしなくても一応パンの形にはなります。

ですが、そのパンはあまり美味しくありません。なぜなら生地が熟成していないのでパンの味や旨味、香りや風味が薄くなってしまうからです。

基本的なパンの製法では、パン生地の仕込みが終わったら28℃~30℃でおよそ1時間から3時間(パンによって違う)一次発酵を行います。

この間にパン生地には何が起こっているかというと、パン生地に入っているイースト菌などの発酵種がどんどん増えてパンを膨らませる力を蓄えるとともに、小麦粉を分解して旨味成分や風香味の元になる成分を作り出していきます。

簡単に言うと、一次発酵を上手に行うことが出来たかどうかが味に直結するということなんですね。そう考えると、一次発酵の重要さが分かってもらえると思います。

ちゃんとレシピ通りにパンを作っているはずなのに何となくパン生地自体に旨味や風味が感じられなかったり、二次発酵はしっかりとっているのになぜか焼き上がったパンのボリュームが出ない場合は、一次発酵が不足している可能性があります。

反対に一次発酵が長すぎると、風香味の元になる成分がたくさん作られ過ぎてしまい、それによりパンが酸っぱくなったりアルコール臭(発酵臭)が強くなります。

一次発酵の進み具合は温度と時間に影響を受けるため、それを応用して冷蔵庫で生地を冷やしながら長時間一次発酵をとることで発酵過多にならないようにしつつ、旨味成分を引き出したり工程をコントロールしやすくする製法(オーバーナイト法)というものもあるんですよ。
【参考記事】発酵時間は一晩中?忙しい人のパン作りを助けてくれる「オーバーナイト法」とは

 

パン作りの重要な工程「二次発酵」の目的とは?

次に二次発酵の目的について説明します。

パン作りをする上で二次発酵を行う一番の目的は「パンを膨らませる」ことです。

発酵種の力でパン生地を膨らませて焼くということが、お菓子作りとは違うパン作りの最大の特徴だと思うんですが、焼く前にパンを膨らませることが二次発酵の目的です。

二次発酵は焼成の直前に行う工程なので、二次発酵の終わりを見極められるかどうかがパンの品質に直結します。

既に焼き上がったパンを膨らませたり、小さくすることは出来ませんからね(笑)。

二次発酵は30℃~38℃で40分~1時間程度とることが多いです。フランスパンなどは30℃で比較的長めの時間、食パンやコッペパン、菓子パンなどのパンは38℃で比較的短めの時間二次発酵を行うことが多いです。もちろんレシピによって異なりますが。

 

まとめ

今回はパン作りの大事な工程である「一次発酵」と「二次発酵」の違いについて説明してきましたがいかがでしたでしょうか。

「発酵=パンを膨らませる」というイメージがあると思うので、一次発酵と二次発酵の目的を混同して捉えている方も多いかもしれませんが、

  • 一次発酵:生地を熟成させて旨味や風香味を引き出し、膨らみやすい状態にする
  • 二次発酵:最終的に焼き上がったパンが適正なボリュームになるようにパンを膨らませる

こういった目的の違いがあります。

特に一次発酵は焼き上がるパンの品質を左右するとても重要な工程なので、もし「今までレシピ通りに生地を休ませるだけであまり状態に気をつかってなかったなー」という方はぜひ今まで以上に一次発酵の状態に注意してパン作りに取り組んでみて下さい。

きっと美味しいパンが焼けるようになりますよ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です