パン作りに使う油脂はマーガリン?それともバター?どっちがいいの?

ソフト系のパンを作るうえで欠かせない材料の一つに「油脂」があります。

パンをふわっと柔らかい食感にするためには必ずマーガリンやバターといった油脂を入れる必要があるんですね。

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パンを柔らかく作るためには常温で固形の「脂」、つまりマーガリンやバター、ショートニングを使う必要があります。

オリーブオイルやサラダ油といった常温で液体の「油」にはマーガリンやバターと同じ働きはありませんので代用することは出来ないんですよ。

ではマーガリンとバターならどっちがいいの?って思ったことはありませんか?今回はその疑問にお答えしていきます。

 

パン作りの材料としてより適しているのはマーガリン?バター?

一般的な感覚として、何となく「バターは高いから良いもの」、「マーガリンはバターの模造品なのであまり良くないもの」みたいなイメージを持っていませんか?

確かにマーガリンはバターの代用として作られた加工食品であることに違いは無いのですが、実際はそれぞれ長所短所こそあるものの、どちらが良くてどちらが悪いということは無いんですね。

バターを使ったからといって必ずパンが美味しくなるかというとそうとは言い切れないし、目の前に2種類のスライスされた食パンを出されて「片方がバターを使って、もう片方がマーガリンを使って仕込んでいます。当てて下さい。」と言われても正直難しいと思います。

ですからマーガリンとバター、それぞれの特徴を理解しておけばどちらを使っても美味しいパンを作り上げることは十分可能です。

 

マーガリンの特徴は価格と機能性

製パン材料としてのマーガリンの特徴には何があるかというと、

  1. バターと比べて安価である
  2. 機能性の付加されたマーガリンもある

といったところです。

家庭でパン作りを楽しむ上で、材料の価格というのは気になる所だと思います。バターを使おうと思ったらどうしてもお金がかかってしまうので、比較的安価に入手できるマーガリンを使うというのは決して悪いことではありません。

実はプロの現場でもマーガリンは多用されます。もちろんベーカリー毎に材料に対する考え方やこだわりはあるでしょうから「うちは絶対にバターを使うんだ!」というお店もあるとは思いますが、全ての生地でバターを使うのは難しいはずです。価格面もありますが、そもそも手に入らないという問題もあるからです。

だからと言って仕方なくマーガリンを使っている訳ではなくて。

マーガリンは比較的安価ですが、決して安かろう悪かろうではありません。油脂メーカーさんは力を入れて高品質なマーガリンを作っていますから、「マーガリン=バターより質が劣る」という考え方は捨ててしまって問題あありません。

また、マーガリンだからこそできることもあります。それが機能性の付加です。

バターやマーガリンは全量の約20%が水分ですが、マーガリンは加工食品なのでこの20%の水分の中に色々な成分を入れることができます。これにより機能性のある油脂にすることができます。

例えば発酵バター風味を付ける、生地の伸びを良くする、焦がしバター風味を付けるなど色々な機能を持ったマーガリンがあります。こういった機能を付加できるのもマーガリンの強みですね。

 

バターの特徴は風味

マーガリンに対し、製パン材料としてのバターの特徴は何かというと何と言ってもバター特有の風味です。

マーガリンは風味の面ではバターにどうしても劣ってしまいますので、多くの場合は香料を入れて風味を付けています。ただ、こういった香料による風味はパンの焼成時に揮発して風味を感じづらくなると言われています。

その点、バターの場合は過熱することで独特の風味が増すという特徴もあり、マーガリンには無い「バターの風味」を感じることができます。

こういったマーガリンとバターの特徴を知り、上手くそれぞれの油脂を使っていきましょう。改めてお伝えしますが、マーガリンは決して安かろう悪かろうではありませんから、比較的安価なこともマーガリンの長所と受け取って下さいね。

 

おすすめの製パン用マーガリン

オルフェ

シンプルなマーガリンです。比較的安価なマーガリンの中でも特にリーズナブルなので日常のパン作りに使いやすいですね。

 

グランマスター プティ・ブール

このマーガリンの最大の特徴はスイス産発酵バターが含まれているということです。価格が控えめな分、配合率も5%と少ないですがちょっとリッチな気分でパン作りができますね!

 

マイスター ゴールドスーパー

このマーガリンはマーガリンでありながら焼き上がり後のバター風味が長く持続することを特徴にした商品です。発酵バター風味は苦手な人もいますから、こちらの方がオールマイティに使えますね。