あなたは「パンペルデュ」という言葉を聞いたことはありますか?
名前に「パン」と付くのでパンの種類の一つだということはなんとなく分かると思います。中には商品名として「パンペルデュ」というパンを販売しているベーカリーを見かけることもありますね。
実はこの「パンペルデュ」という言葉、特定のパンを指す言葉ではなくて「ある特徴」を持ったパンを総称して「パンペルデュ」と呼ぶんです。
それではパンペルデュとはどんな特徴を持ったパンなのでしょうか?今回はその説明とパンペルデュを作るのに適したパンの紹介をしていきますね。
パンペルデュとは「再生パン」のことです
そうなんです。見出しにも書いたように、パンペルデュとは「再生パン」を意味する言葉なんですね。
パンペルデュはフランス語で「失われたパン」「ダメになったパン」を意味する言葉なんです。それだけ聞くとイメージ悪いかもしれませんが、元々はフランスのパン職人がお店に出せないパンをもったいなく思い、「パンを価値あるものとして生き返らせてあげよう」という思いで作ったものが発祥と言われています。
そう聞くとパン職人のパンに対する思いや温かい心を感じることができますよね。
実際にベーカリーではパンを焼いたんだけども、見た目がちょっと良くない。でも味は全く問題ないという場合や、閉店間際にパンを買いに来たお客さんのために商品を用意しておいて結局売れ残ってしまったパンなどをパンペルデュに使うことが多いです。
実はパン職人目線で言わせてもらうとパンペルデュは心強い味方なんです。
パンを再生することができなければ売れ残ったパンは廃棄せざるを得ないですし(お店の方針によっては翌日値引きなどをして販売するところもありますが)、閉店間際に商品を揃えることも出来なくなってしまいます。
ですがパンペルデュがあることで強気に商品を製造できますし、閉店まできっちり商品を揃えることができるというわけです。
パンペルデュに適したパンとは?
それではパンペルデュに適したパンとはどんなものがあるでしょうか?それを知るには「代表的なパンペルデュにはどんなものがあるか」を考えてみるとすぐに分かります。
代表的なパンペルデュと言えばフレンチトーストですね。フレンチトーストと言えばしっとりとした食感とバターの香りが特徴的ですが、フレンチトーストに使うのは言うまでもなく食パンです。家庭で作る場合は食パンが多いと思いますが、フランスパンで作っても非常にしっとりとした美味しいフレンチトーストを作ることができます。
フレンチトーストを作る場合、使う食パンやフランスパンは実は当日焼いたパンよりも前日のものの方が美味しくなるって知ってましたか?
これは日が経ったことによってパンが乾燥し、水分が抜けた分フレンチトーストの液が染み込みやすくなってよりしっとり感のあるフレンチトーストになるからです。ですからフレンチトーストを作るのであればむしろ残ってしまったパンの方が美味しくなるんですね。
他にもパンペルデュにはクロックムッシュやガーリックトーストなどがあります。そう考えるとパンペルデュに適したパンは食パンとフランスパンであると言えますね。もちろんプレーンなパンであればなんでもできますし、味付きのラウンド食パン(円筒形のパン。メープルラウンドなど)をフレンチトーストにしても美味しくいただけますよ!