パン作りに使う酵母にはどんな種類がある?様々な種類のパン酵母を紹介します

どうも、パン職人Ken(@pansyokunin_ken)です。

パン作りに必要な材料と言えば何と言っても「酵母」ですよね!

パンが膨らむには酵母が必須ですし、酵母の働きはパンを膨らませるだけでなく、パンを美味しさに大きく関わる風味や香味、旨みを作り出してくれます。

パン作りに使う酵母と言えばまず思い浮かぶのは「イースト」でしょう。

イーストはとても便利で、ベーカリーでも多く使われる酵母です。

ですが酵母と言っても種類はたくさんありますし、作りたいパンによっては使う酵母の向き不向きもあります。

パン作りに使う酵母はイーストだけでなく、たくさんの種類があります。
実は作りたいパンによっては「この酵母の方が良い」とか「この酵母の方が味わいが出る」と言ったような向き不向き、特徴があるので紹介していきますね!


パン作りに使う酵母の種類

パン作りに使う酵母の種類を分かりやすくざっくりと分けると、「イースト」と「それ以外の天然酵母」に分けることが出来ます。

実はイーストも広い意味では天然酵母なんですが、ややこしくなるのでそれは一旦置いておきます。

「イースト」と「それ以外の天然酵母」もそれぞれ種類があります。それは、

  • イースト:生イースト、インスタントドライイースト、ドライイースト、セミドライイースト
  • それ以外の天然酵母:ルヴァン種、サワー種、ホップ種、果実種、ヨーグルト種、酒種等

こんな感じです。それ以外の天然酵母に関しては代表的なものを挙げましたが、他にも種類があります。


代表的な酵母「イースト」

一言で「イースト」と言っても先ほど挙げたように種類があります。それぞれ特徴がありますので紹介していきますね。

生イースト

生イーストは用途が幅広く、生地を冷やしてもそれなりに発酵力を保ってくれるのでベーカリーでは幅広く使われているイーストです。

砂糖が多い生地でも安定して発酵してくれるため、菓子パン系の生地に相性がいいイーストですね。

生イーストは名前の通り「生」なので、長期間の保存は出来ません。だいたい2週間程度でしょうか。

家庭でのパン作りの場合、たくさんパンを作る方や頻繁にパンを作る方でないと余らせてしまうこともあるかもしれません。

インスタントドライイースト

インスタントドライイーストは茶色い顆粒状のさらさらしたイーストです。

インスタントドライイーストは長期間保存ができるので家庭でのパン作りに向いていると思います。予備発酵が不要なのも便利ですね。

インスタントドライイーストは用途によって種類があります。先ほど紹介したインスタントドライイーストは「サフ インスタントドライイースト赤」という商品で、こちらは砂糖の入っていないフランスパンなどに向いているイーストです。

それに対し、こちらの「サフ インスタントドライイースト金」

こちらは砂糖の入っている生地に向いているイーストです。

作りたいパンに砂糖が配合されているかどうかで、この2種類を使い分けましょう。

ドライイースト

ドライイーストは生イーストを乾燥させたもので、だいたい半年ほど保存が可能です。

ドライイーストの最大の特徴は「予備発酵が必要」ということ。

インスタントドライイーストは前準備なしに、そのまま生地に混ぜればOKですが、ドライイーストの場合は予備発酵をしておかないと十分な発酵力を発揮してくれません。

手間がかかるため、今はインスタントドライイーストを使うことが多いですが、ドライイーストで作ったパンは生イーストで作ったパンに近い豊かな香りがします。

ドライイーストはフランスパンなどの砂糖を配合しない生地に向いています。

セミドライイースト

セミドライイーストは、いわばインスタントドライイーストとドライイーストの中間的な特徴を持ったイーストです。

ドライイーストのような豊かな香りを出しつつ、インスタントドライイーストの様に予備発酵が不要なので、非常に便利です。

あえて注意点を挙げるとすると、冷凍保存が必要な所でしょうか。

インスタントドライイーストは赤と金がありましたが、セミドライイーストにも赤と金があります。先ほど紹介したのが赤で、こちらが金です。

インスタントドライイースト同様、砂糖が少ない生地には赤を、砂糖をたくさん使う生地には金を使いましょう。


様々な天然酵母

次は天然酵母について説明していきます。

イーストと天然酵母の違いは、含まれている菌の違いですね。

イーストはパンを膨らませることに適した単一の酵母を培養したもので、他の酵母は含まれていません。それに対し、天然酵母には様々な酵母に加え、乳酸菌や酢酸菌など様々な細菌が含まれています。

天然酵母は自然の物で、パンを膨らませることに特化しているわけではないのでイーストと比べるとはるかに発酵力が劣ります。

また、様々な菌が含まれているため適切に管理してあげないと発酵しなかったり、腐ったりしてしまいます。

ただ、様々な酵母や細菌が含まれていることでイーストには無い風味や香味を感じることが出来ます。

天然酵母はたくさんの種類があるので、それぞれ簡単に説明すると

  • ルヴァン種:ライ麦や小麦の皮についている細菌を培養して作る発酵種。全粒粉と水を合わせて作る。発酵力は弱いが独特の風味と甘みがあり、ハード系のパンに向いている。
  • サワー種:ドイツパンには欠かせない発酵種。ライ麦粉と水を合わせ、発酵と種継ぎを繰り返して作る。強い酸味が特徴。
  • ホップ種:ホップの煮汁に小麦粉やジャガイモ、リンゴを合わせて種継ぎを行うことで出来上がる。食パンに向いていると言われている。
  • 果実種:果物の皮についている細菌を培養して作る発酵種。リンゴ酵母やレーズン酵母が代表的。発酵力は弱いが果実の甘味や香りがほのかに感じられる。
  • ヨーグルト種:ヨーグルトと小麦粉、砂糖、水を合わせて作る発酵種。天然酵母にしては比較的発酵力が強く、扱いやすい。
  • 酒種:米、麹、水から作る発酵種。ほのかに感じる麹の香りが魅力的。酒種あんぱんが有名。

こんな感じです。

それぞれ独特の風味や香り、食べた時に感じる甘味や酸味があり、イーストで作ったパンとは違った魅力があります。

天然酵母に共通する特徴ですが、イーストに比べるとはるかに発酵力が劣るんですよね。

伝統的な製法では発酵力が劣ることを考慮して長時間発酵をとることでパンを膨らませています。そうやって作ったパンは長時間発酵によってしっかりとした風香味と旨味、甘味を感じることが出来ます。

ただ、やはり長時間発酵させるとなると管理が難しくなりますし、何より時間がかかるので気軽にパン作りができないですよね。

そんな時はイーストの併用や、長時間発酵がかかることを利用してオーバーナイト法で一晩寝かせてしまうと時間の都合をつけやすくなるのでおすすめです。
【参考記事】発酵時間は一晩中?忙しい人のパン作りを助けてくれる「オーバーナイト法」とは


まとめ

今回はパン作りに使う様々な酵母について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。

まとめると、

  • パン作りに使う酵母にはイーストや様々な天然酵母がある。
  • イーストには生イースト、インスタントドライイースト、ドライイースト、セミドライイーストがある。
  • イーストは生地の砂糖の配合量によって向き不向きがある。インスタントドライイーストとセミドライイーストは砂糖の少ない生地用と多い生地用があり、使い分けることで色々な配合の生地に対応できる。
  • イーストはパン作りに適した単一の酵母を培養したものなのに対し、天然酵母は自然の物なので様々な酵母に加え多種の細菌(乳酸菌や酢酸菌など)が含まれている。
  • 天然酵母は代表的なものを挙げるとルヴァン種、サワー種、ホップ種、果実種、ヨーグルト種、酒種などがあり、それぞれ独特の風味や香り、甘味や酸味がある。
  • 天然酵母はイーストと比べてはるかに発酵力が弱いため、発酵に長い時間がかかる。家庭で天然酵母パンを作る場合はイースト併用かオーバーナイト法がおすすめ。

こんな感じです。

パン作りに使う酵母には色々な種類があることをお分かりいただけたでしょうか。
お手軽にパン作りを楽しみたいならやはりイースト、特にインスタントドライイーストがお手軽で便利です。
天然酵母は種起こしからの作業になるので、パン作りに慣れてきた方や、こだわりのパン作りをしてみたい方はぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。
天然酵母100%のパンに特別こだわりが無ければ、イースト併用なら安定して発酵してくれるので失敗が少なくおすすめですよ!

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