どうも、パン職人Kenです。
パンの最大の特徴と言えば「イースト菌を使う」ということだと思います。パンと言えばイースト、イーストと言えばパン。そんなイメージありませんか?
イースト菌をはじめとする発酵種の力のおかげでパンは膨らみ、パン独特の風味や香り、旨みを感じることが出来ます。
ではパンはイーストなしでも作れるのでしょうか?そんなことを疑問に思ったことってありませんか?
今回はその疑問にお答えしていきますね!
イーストなしでパンを作る唯一の方法
実はイーストなしでパンを作る方法が一つだけあります。
ですが、正直なところイーストを使ってパンを作るよりもはるかに手間がかかり、難易度も高まります。
ではイーストなしでパンを作る唯一の方法とは何かというと、イースト以外の発酵種を使う方法です。
発酵種とは文字通り発酵する種となるもの。つまり微生物です。イーストも正確にはイースト菌なので微生物ですね。
イースト以外の発酵種とは具体的にどんなものがあるのかというと、天然酵母です。干しぶどうやリンゴの皮などを使って作る自家製酵母や、ホシノ天然酵母などの市販されているもの。またサワー種と呼ばれる乳酸菌の仲間やパネトーネ種というものもあります。
こういった天然酵母を使えばイーストなしでもパンを作ることが出来ます。
ですが天然酵母は扱いが難しく、特に自家製酵母は発酵力が安定しないため毎回同じような品質のパンを焼くのは難易度が高いです。
天然酵母を使ったパン作りはもちろん楽しいのでチャレンジしてみて欲しいなとは思いますが、難易度は高めだということは知っておいて下さいね。
ベーキングパウダーを使えばイーストなしでもパンは焼ける?
イーストなしでパン生地を膨らませる方法として、ベーキングパウダーを思いついた方は結構いるんじゃないでしょうか?
結論から言うと、イーストの代替としてベーキングパウダーを使った場合、「生地を膨らませて焼いたパンのようなもの」を作ることは出来るでしょうが、パンそのものを作ることは出来ません。
なぜそうなってしまうのかというと、イーストとベーキングパウダーの働きの違いがあるからです。
ベーキングパウダーは生地を膨らませることは出来ますが、それ以外の機能はありません。
それに対し、イーストは発酵します。発酵によってもたらされる効果は実は生地を膨らませるだけではありません。
イーストはパン生地の中で発酵することで炭酸ガスを作り出すだけでなく、小麦粉中のたんぱく質を分解し、香りや風味、旨み、適度な酸味の元になる物質を作り出します。
こういった働きがあるからこそパン特有の味を作り出すことが出来るんですね。これはベーキングパウダーには真似することが出来ません。
パンを作るためにはイーストか、もしくはイースト以外の発酵種を必ず使う必要があるわけです。
実は「発酵種なしのパン」はパンではない!
実はパンというのは定義があります。
パンとは「穀物の粉と塩、水、発酵種を混ぜ合わせて作った生地を発酵により発生した炭酸ガスで膨らませて焼いたもの」です。
この定義によると、パンには発酵種(イーストなど)が必ず含まれている必要があります。
先ほどベーキングパウダーの話をしましたが、「パンの定義」にフォーカスして見てみても、ベーキングパウダーで作ったパンは「パンのような何か」であって、パンではないんです。
なのでパンを作る場合はイーストを使うか、もしくはイースト以外の発酵種(天然酵母)を必ず配合して下さいね!
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