ライ麦を20%配合した混合ライ麦パン④【ストレート法・サワー種使用・イースト不使用】

どうも、パン職人のけんです。今回はライ麦を20%配合した混合ライ麦パンを焼きました。

私が頻繁に焼いているライ麦20%の混合ライ麦パンですが、今回で4回目の投稿になります。

1回目:ライ麦を20%配合した混合ライ麦パン【ストレート法・サワー種使用・イースト併用】
2回目:ライ麦を20%配合した混合ライ麦パン②【ストレート法・サワー種使用・イースト不使用】
3回目:ライ麦を20%配合した混合ライ麦パン③【ストレート法・サワー種使用・イースト不使用】

レシピの配合は3回目と似ていますが、若干違う点として強力粉の割合を増やし、一次発酵の時間も長めにすることでボリュームが出やすいようにしています。

ちなみに今回は強力粉を粉全体の67%使用しているのに対し、3回目は56%でした。また、今回は一次発酵を2時間取っているのに対し、3回目は1時間でした。

今回焼き上がったパンは3回目と比べてボリュームがあり、上部の割れ目も大きく開いています。

強力粉はたんぱく質含量が比較的多いため、グルテンがより多くできるようになります。その結果ボリュームが出るわけですが、それにより食感にも違いが出てきます。

本来、フランスパンやドイツパンはたんぱく質含量の少ない粉を使うことが多いです。

そのため、日本の粉で再現する場合はフランスパン専用粉(準強力粉)を使ったり、強力粉に中力粉を混ぜて使います。

そういった粉で作ったパンは、食パンなどの強力粉で作るパンと比べてボリュームが小さく、歯切れのよい食感になります。

今回はドイツパン(ライ麦パン)でありながら強力粉を多く使っているため、ボリュームは大きくなりますが、「引き」のある食感になります。

スライスした食パンをちぎろうとするとスパッと切れず、縦に裂けますよね。あのような食感を「引きがある」と表現します。

一次発酵の時間に関しては、3回目のレシピはサワー種を使った際の時短の検証的な意味合いもあったので1時間でしたが、しっかりとボリュームを出したいのなら2時間取った方が安心できます。

パン作りは時間がかかるので、時短も重要な要素だと思います。ただ、発酵時間の違うパンが全く同じに焼き上がるということはないので、どれだけ時間をかけられるのかを想定して無理のない工程を立てるのが大切だと思います。

食感は好みの問題なので、よりライ麦パンらしい食感を求めるなら3回目のレシピを、ボリュームのあるソフトな食感を求めるなら今回のレシピがおすすめです。

「パン作りを始める前に」をお読みでない場合は、先にそちらをご一読ください。このブログのレシピを使ってパン作りに挑戦する前に、知っておいてほしい注意事項を説明しています。

分からない用語があれば、「専門用語集」をご覧ください。

ライ麦を20%配合した混合ライ麦パンの使用材料

パン1個分のレシピ。生地量合計約510g(170%)。

サワー種

  • ライ麦全粒粉:60g(20%)
  • 中力粉:30g(10%)
  • 水:90g(30%)
  • 初種(小麦全粒粉、TA200):18g(6%)
  • 塩:1.8g(0.6%)

※中力粉は準強力粉(フランスパン専用粉)に置き換え可能です。

本生地

  • サワー種全量
  • 強力粉:201g(67%)
  • 水:105g(35%)
  • 塩:4.2g(1.4%)

※カッコ内はベーカーズパーセントです。

ライ麦を20%配合した混合ライ麦パンの作業工程

  1. サワー種を作る(12~16時間)
  2. 材料を用意しオートリーズする(40分)
  3. 生地を作る(10分)
  4. 一次発酵を行う(30分)
  5. パンチを行う(5分)
  6. 一次発酵の続きを行う(30分)
  7. パンチを行う(5分)
  8. 一次発酵の続きを行う(30分)
  9. パンチを行う(5分)
  10. 一次発酵の続きを行う(30分)
  11. 成形する(5分)
  12. 二次発酵を行う(80分)
  13. 焼成する(40分)

合計作業時間:約17時間10分~21時間10分

ライ麦を20%配合した混合ライ麦パンの作り方

  1. サワー種の材料を全て計量し、ボウルに入れて混ぜ合わせます。20~22℃で12~16時間熟成させます。
  2. 材料を全て計量し、塩以外の材料(サワー種全量含む)をボウルに入れます。
  3. 粉っぽさがなくなるまで混ぜ、30分間オートリーズを行います。
  4. 塩を入れて生地をこねます。目標こね上げ温度28℃。
  5. 28℃で120分一次発酵を行います。30分毎にパンチを行います(計3回)。


  6. 生地を成形します。生地に溜まったガスを手のひらを使って優しく抜き、折りたたんで楕円形に整えます。閉じ目は完全には閉じません。
  7. 発酵かごに薄手の布を敷き、粉を振りかけます。閉じ目に粉をつけ、閉じ目を下にして発酵かごに入れます。
  8. 28℃で約80分二次発酵を行います。
  9. 生地の上にベーキングシートを乗せ、ひっくり返して生地を取り出します。
  10. 板に乗せてベーキングシートごと滑らせるようにオーブン(250℃に予熱済み)に入れ、すぐにスチームを入れます。5分焼いたら230℃に落として約35分焼きます。