どうも、パン職人のけんです。今回はサワードゥブレッドを焼きました。
サワードゥブレッドは以前にも作りましたが、今回はそちらとは違った製法で作っています。
パン・オ・ルヴァン(サワードゥブレッド)【イースト使用・小麦サワー種使用】
前回のサワードゥブレッド(パン・オ・ルヴァン)は小麦粉全量の44%を使ってサワー種を起こし、それを使って生地を作りました。
生地の約半分がサワー種なので、一次発酵が比較的短時間(60分)でも、しっかりと風味や旨味が引き出されたパンになります。
それに対し、今回は小麦粉全量の8%を使ってサワー種を起こし、それを生地に練りこみます。
サワー種の量が少ない代わりに、一晩じっくりと冷蔵で熟成させることでパンの風味や旨味を引き出します。
今回のパン作りで特徴的なのは、成形してから冷蔵するところです。
発酵かごに成形した生地を入れた状態で冷蔵し、翌日は冷蔵庫から出してすぐに焼くことができます。
とても便利な製法ですが、その反面、冷蔵庫で膨らみすぎてしまった(発酵過多)場合は取り返しがつかないというデメリットもあります。
気を付けなければいけないポイントはありますが、それを差し引いても、とてもおいしいパンだと思います。個人的にはかなり好きなパンです。
焼き上がったパンのクラスト(外皮)はとても香ばしく、クラム(中身)はしっとりとしてつやがあり、大小の気泡が入ったソフトな食感に仕上がりました。
「パン作りを始める前に」をお読みでない場合は、先にそちらをご一読ください。このブログのレシピを使ってパン作りに挑戦する前に、知っておいてほしい注意事項を説明しています。
分からない用語があれば、「専門用語集」をご覧ください。
サワードゥブレッドの使用材料
パン1個分のレシピ。生地量合計約511g(170.4%)。
サワー種
- 中力粉:24g(8%)
- 水:24g(8%)
- 初種(小麦粉、TA200):24g(8%)
※中力粉は準強力粉(フランスパン用粉)に置き換え可。
本生地
- サワー種全量
- 強力粉:150g(50%)
- 中力粉:114g(38%)
- 水:168g(56%)
- 塩:6g(2%)
- モルトシロップ:0.9(0.3%)
※カッコ内はベーカーズパーセント。
※サワー種仕込みで準強力粉(フランスパン用粉)を使用した場合は、本生地の強力粉と中力粉は準強力粉(フランスパン用粉)に置き換える。その場合は264g(88%)の準強力粉(フランスパン用粉)を使用する。
サワードゥブレッドの作業工程
- サワー種を作る(4時間)
- 材料を用意しオートリーズする(40分)
- 生地を作る(10分)
- 一次発酵を行う(30分)
- 生地を折りたたむ(5分)
- 一次発酵の続きを行う(30分)
- 生地を折りたたむ(5分)
- 一次発酵の続きを行う(30分)
- 生地を折りたたむ(5分)
- 一次発酵の続きを行う(30分)
- 生地を折りたたむ(5分)
- 一次発酵の続きを行う(30分)
- 生地を折りたたむ(5分)
- 一次発酵の続きを行う(30分)
- 成形する(5分)
- 冷蔵庫に入れて熟成させる(12~20時間)
- カットを入れる(5分)
- 焼成する(40分)
合計作業時間:約21時間5分~29時間5分
サワードゥブレッドの作り方
- サワー種の材料を全て計量し、ボウルに入れて混ぜ合わせます。20~22℃で4時間熟成させます。完成当日に生地を仕込まない場合、3時間熟成させて冷蔵庫に入れれば、翌日使えます。
- 材料を全て計量し、塩以外をボウルに入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。
- 30分間オートリーズを行います。
- 塩を加え、滑らかになるまで生地をこねます。目標こね上げ温度26℃。
- 20~22℃で3時間一次発酵を行います。30分ごとに計5回生地を折りたたみます。3時間経過後は生地にガスがたまり、サワー種の発酵を感じられますが、発酵が鈍い場合は一次発酵を延長します。
- 生地を成形します。生地に溜まったガスを抜いて折りたたみ、楕円形に整えます。
- 発酵かごに薄手の布を敷き、粉を振りかけます。閉じ目を上にして発酵かごに入れ、ビニール袋に入れます(乾燥防止)。
- 冷蔵庫で12~20時間熟成させます。
- 生地の上にベーキングシートを乗せ、ひっくり返して生地を取り出します。
- クープナイフ(もしくはナイフやカミソリ)でパンの中心を端から端までカットします。
- 板に乗せてベーキングシートごと滑らせるようにオーブン(250℃に予熱済み)に入れ、すぐにスチームを入れます。5分焼いたら230℃に落として約35分焼きます。