オートミール粉末入りのフランスパンを作ってみた結果【レシピ付き】

どうも、パン職人Ken(@pansyokunin_ken)です。

パン職人という仕事をしていると、どうしてもパンを食べる機会が多くなるんですよね。味見したりとか、ロスになったパンを食べたりとか。

20代の頃はたくさんパンを食べているということに対する罪悪感的なものはゼロでした。むしろ食費浮いてラッキーくらいの感覚でしたよ。

ただ、今はそうはいきません。そこそこの年齢になり、健康に気を遣うようになると、「人より多くパンを食べている」という状況はちょっと不安になってくるものでして…

パンをたくさん食べると、どうしても糖質と脂質(フランスパンなら脂質はほぼゼロですけど)を多く摂取することになってしまいます。

そういったこともあって、最近は主食として意識的にオートミールを食べるようにしてます。オートミール、しばらく前から流行ってますよね。

その甲斐あって、少しづつ成果が出ているような気がしています。

パン職人としてはオートミールを配合したパン作りをしてみたいなと思いまして、さっそくオートミール入りのパン作りにチャレンジしてみたわけです。

オートミールを使って何パンを作る?

オートミール配合のパン作りにチャレンジしようと思い立ったわけですが、パンは色んな種類があるので何パンを作るかをまず決めないといけません。

オートミールと言えばやっぱり健康志向のイメージですよね。いくらオートミールを使っても砂糖とバターたっぷりの菓子パンじゃあちょっと違う感じがします。

日本で一般的に売られているパンの中ではフランスパンが比較的ヘルシーなので、今回はオートミール配合のフランスパンを作ってみようと思います。

さすがに小麦粉なしでは難しい

せっかくオートミールを使ってパンを作るなら、小麦粉なしの100%オートミールパンが良いんじゃないかと思うかもしれません。

ですが、それは無理ではないけれどもかなり難しいのでおすすめしません。

なぜかというと、オートミールにはグルテンがほとんど含まれていないからです。グルテンがほとんどないということは、粉末状のオートミールに水を合わせていくら捏ねても生地がまとまらないということを意味しています。

同じグルテンを含まない穀物にライ麦があります。ライ麦の場合、ライ麦粉100%で作るパン(プンパニッケル等)があるので、そこから考えるとオートミール100%のパンも作れなくはない気がしますが、かなりの手間がかかるので今回はパス。

というわけで、今回は小麦粉をベースにしてオートミール粉末を配合するレシピで作ってみようと思います。

まずはオートミールを粉砕して粉末状に

オートミール配合のパンを作る場合、オートミールを粉砕して粉末状にして入れるパターンと、オートミールを煮て(もしくは熱湯でふやかして)からすりつぶして入れるパターンが考えられますが、今回は前者のパターンでやってみようと思います。そっちの方が水の配合量を計算しやすいですからね。

使う道具はハンドブレンダー!たまたま貰い物のハンドブレンダーが家にあったのでこれを使ってオートミールを粉砕し、粉末状にしていきます。

ホームベーカリー大活躍のパン生地仕込み

さっそくオートミール配合生地を作っていきます。

正直初めて作るので、どのくらいオートミール粉末を配合するのが良いのか分かりません!

今回は試しに小麦粉70%オートミール粉末30%の割合でやってみることにします。

最近生地仕込みはホームベーカリーにお任せ。今までは手ごねでしたが、楽を覚えてしまったらもう抜け出せない。ちなみにホームベーカリーはこね専用機となっております。他の機能使ったこと無い…

フランスパンなので使う材料は小麦粉、オートミール、塩、イースト、水、モルトシロップです。シンプルでしょ?

モルトシロップは聞きなれない材料かもしれませんが、砂糖を入れない(もしくはちょっとしか入れない)生地の場合はこれを入れることでイーストの発酵が促進され、焼き色もキレイにつくようになるのでおすすめです。
【参考記事】フランスパン作りに必須の材料「モルト」とは?入れる意味や効果を説明します

今回の配合は

  • 中力粉(準強力粉):140g
  • オートミール粉末:60g
  • 塩:4g
  • インスタントドライイースト:1g
  • モルトシロップ:1g
  • 水:140g

これでいってみます。初めて仕込む生地なんでどうなるか分かりませんが、とりあえずやってみましょう。

パン生地完成!でもちょっと硬いかも…

結論から言うと、もっと水をいれてもよさそうですね…

しかもオートミールが思ったよりも粗挽きだったのか、ツブツブ残っています。さすがにハンドブレンダーではきれいに製粉はできないようです。

今回は小麦粉+オートミール粉末100gあたり70gの水を入れたんですが、これって100%小麦粉で作るフランスパンと同じなんですよ。

でも考えてみればオートミールは既に乾燥している状態なのでそりゃ小麦粉よりも水吸いますよね。だからもっと水多くても良かったみたい

まぁ今回はこのままパンを作ってみます。

一次発酵・パンチ・分割まるめ・ベンチタイム

今回はストレート法という製法でパンを作ります(ディレクト法ともいう)。パン生地作りから最終的な焼き上でまでノンストップで作るやり方ですね。

捏ね上がったら

  1. 90分間一次発酵
  2. パンチ
  3. 再び90分間一次発酵続き
  4. 分割・まるめ
  5. 30分間ベンチタイム

という流れで生地を発酵・熟成させていきます。

一次発酵&ベンチタイムはできるだけ30℃に近い環境を作り、乾燥させないように注意しましょう。私はオーブンの発酵機能を使ってます。

夏場は室温でもOKかもしれませんが、秋冬はそれだと発酵が鈍くなるので温めてあげて下さい。

一次発酵が終わった生地がこちら。

パンチは生地のガスを抜いて折りたたむ工程ですね。

今回は約25cmの短いフランスパン3本分の生地を仕込んでいるので、3等分する「分割」という工程が入ります。

分割した生地は切りっぱなしだとこの後の作業に差し障るので、断面が隠れるようにきれいな楕円形にまるめておきます。

ここまで終わったら30分間生地を休ませます(ベンチタイム)。生地が冷えたり乾燥したりしないように注意しましょう。

いよいよ成形だ!

ここまでの工程を経てようやくフランスパンの成形ができるようになります。

楕円形にまるめた生地を30分間休ませた(ベンチタイム)ことで生地がゆるみ、成形できるようになります。

まずは生地のガスを軽く抜いて平べったくします。押しつぶしたらダメですよ。

手前から真ん中へ向けて生地を折りたたみます。

上からも真ん中へ向けて生地を折りたたみます。

そうしたら生地の上下をくっつけるように折りたたみます。これで生地に張りがでます。

最後に長さを整えて成形終了です。やったぜ!

全て成形し終えたら二次発酵を行います。30℃に近い環境で約60分間発酵させましょう(乾燥注意)。

二次発酵終了!あんまり膨らまない?

60分経ったものがこちらです。

う~ん。いや、膨らんでるんですよ?膨らんでるんですけど普通60分間発酵させたらもっと膨らんでもいいような…

やっぱり生地が硬めなのと、オートミール粉末が30%入っている影響でしょう。予想はしてましたが、やはりボリュームは出づらそうですね。

さて、焼く前の仕上げとして表面にカットを入れます。これをすることで焼いた時にカット面から水蒸気が抜けやすくなり、火通りが良くなるのとボリュームが出やすくなります。

さらにちょっとした裏技を使って、カット面がきれいに開くようにします。使うのはバター。柔らかくしておいたバターをカット面に絞ります。

これをやることでカット面が開きやすくなります。火力が比較的弱い家庭用オーブンできれいなフランスパンを焼くためのちょっとした裏技なのでお試しあれ。

ただし、バターを絞り過ぎるとバターの味と香りが付いてしまうのでバターの量は最小限にしましょう。ちなみに私はラップにバターをくるみ、楊枝で穴を開けて絞っています。それでOK。

最後の一仕事!きれいにフランスパンを焼き上げよう!

カットが終わったらいざ窯入れ!オートミールフランスパンを焼き上げます。

事前にオーブンの温度を250℃に設定して予熱しておきます。家のオーブンはスチームが出せる機種なのでスチームも使います。

まずは250℃で10分焼き、230℃に落として更に10分焼きます。ここら辺はオーブンによって変わってくると思うので、焼き色を見ながら調整してみて下さい。

そして焼き上がったものがこちら!

普通パンって焼いている間にも膨らむんですよ。「窯伸び」と言って、最後に一膨らみするんですけど、ほとんどしてませんね。まぁ、予想してましたけど。

パンの外側はカッチカチですが香ばしく、オートミールの香りがしっかりと残っています。かなりカリカリ食感ですが意外と中身は柔らかく、口どけがよかったのが驚きですね。

パンはふわふわじゃないとヤダって人にはおすすめしませんが、フランスパン好きの人はそこそこ美味しく食べられるんじゃないでしょうか!個人的には好きでした。

ちなみにオートミールフランスパンを焼いた翌日、自家製サラダチキンをはさんでカスクルート(フランスパンのサンドイッチ)を作って食べようとウキウキしながら仕事から帰ってきたら、全て家族に食べられてました。ガッカリ。

口に合って良かったということにしておきましょう!

今回のチャレンジは改善点はありますが、いい感じに焼けたんじゃないでしょうか?次はもう少し柔らかいオートミールソフトフランスでも作ってみようかな。

レシピまとめ

配合

  • 中力粉(準強力粉):140g
  • オートミール粉末:60g
  • 塩:4g
  • インスタントドライイースト:1g
  • モルトシロップ:1g
  • 水:140g(もっと増やしてもいいかも)

工程

  1. 生地仕込み(捏ね上げ時の目標生地温度:24℃)
  2. 一次発酵(30℃ 90分)
  3. パンチ
  4. 一次発酵続き(30℃ 90分)
  5. 分割・まるめ
  6. ベンチタイム(30℃ 30分)
  7. 成形
  8. 二次発酵(30℃ 60分)
  9. 仕上げ(カット・バター絞り)
  10. 焼成(250℃ 10分 スチーム有→230℃ 10分)

注意事項

  • 記事中でも触れた通り、今回の配合だと生地が硬いので水を増やしてもいいかもしれません。
  • 工程全体を通して生地の乾燥には注意して下さい。
  • 生地が冷えないように注意して下さい。夏場はあまり気にしなくてもいいかもしれませんが、それ以外の季節では室温が低いと生地が冷えて発酵が鈍くなります。
  • 適正発酵時間は生地温度や室温によって変わるので目安として捉えて下さい。
  • 焼成温度と焼成時間はオーブンの性能によって変わるので目安として捉えて下さい。