パン作りに使うルヴァン種って一体何者?

ちょっとこだわってパン作りをしている人は聞いたことがあるかもしれない「ルヴァン種」。このルヴァン種って一体何者か知っていますか?

天然酵母の一種であるルヴァン種ですが、その意味や効果について説明していきますね。

家庭でのパン作りでルヴァン種まで扱うようになったらあなたはかなりのレベルです。もし今扱うことがなくても知っているとちょっと自慢できるかも!

 

「ルヴァン」の言葉の意味とは?

ルヴァン、ルヴァン種、ルヴァンリキッドなどと呼ばれるものは天然酵母の一種なのですが、フランス語で「発酵種」という意味です。何か特定の天然酵母を指すのではなく、発酵種の総称なんですね。

このルヴァン種は小麦もしくはライ麦の全粒粉から作られます。小麦の表面についている天然酵母を培養して作る発酵種なので、全粒粉を使わなければルヴァン種は出来ません。真っ白な小麦粉では作れないということですね。

 

ルヴァン種を使うとパンはどうなる?

ルヴァン種はイーストと比べて発酵力が弱いため、ルヴァン種100%で作ったパンはふわふわにはなりません。しかしルヴァン種を使うことで天然酵母特有の甘味や風味、酸味がパンに付き、イースト100%で作ったパンとは違った味わいになります。

ルヴァン種はハード系で大型のパンに使われることが多いですが、パンのクラム(中身)がしっとり、クラスト(表面)は厚めに焼き上がります。特にクラストは香ばしさにルヴァン種特有の風味が合わさって格別ですよ!

先ほども少し触れましたが、ルヴァン種を使ったパンは酸味のあるものが多いです。とはいってもドイツパンの様にはっきりとした酸味ではなくほのかに残る酸味という感じですね。

もちろんお店ごとのレシピによって程度は変わりますが、この酸味もルヴァン種で作ったパンの特徴であり美味しいポイントです。

ルヴァン種は発酵力が弱いため、ルヴァン種100%でパン作りをする場合はオーバーナイト法(冷蔵で一晩生地をねかせる製法)を取ることが多いです。

冷蔵で生地をねかせている間にルヴァン種が働き、旨みや甘味、風味や酸味を作り出すんです。

 

ルヴァン種を使った代表的なパン

ルヴァン種を使ったパンで最も代表的なものはパン・オ・ルヴァンだと思います。

大型に焼き上げるとしっとりパリパリの食感が楽しめ、天然酵母の力で生地が酸性によるので保存性も高まります。

ルヴァン種は大型のハード系にしか使ってはいけないということは無く、バゲットに入れているお店もありますし、食パンに入れているお店もあるくらいです。

天然酵母の特性を上手く使って工夫し、美味しいパン作りに活かしていけると良いですね!