どうも、パン職人Kenです。
パン作りをする上で非常に重要な工程の一つに「焼成」があります。
美味しいパンを作るための一番最後の仕上げであり、ここで失敗してしまうと今まで数時間かけて作ってきた労力が水の泡になってしまうシビアな作業でもあります。
パン職人のことを英語でBaker(ベイカー)と言いますが、Bakeは焼くという意味ですからBakerは焼く人という意味ですよね。
つまりパン職人とは焼く人ということになります。それほどパンを焼くという作業は重要ということです。
家庭でのパン作りではこの「焼く」という作業は難易度が高いと感じる方もいらっしゃると思います。
ホームベーカリーなら設定しておけば後は勝手に焼いてくれるのでしょうが、オーブンで焼くとなると色々とパンに合わせた設定が必要になってきます。
特にパンの焼き時間がよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
実はパンの焼き時間を決める2つのポイントがありますので、ぜひ覚えておいていただけたらと思います。
目次
パンの焼き時間を決める2つのポイント
パンの焼き時間は3つのポイントによって決まります。それは配合と生地重量です。
なぜパンの配合が焼き時間に影響するのか
焼くパンの配合によって焼き時間は変わってきます。
ではどんな配合だと長くなるのか、逆にどんな配合だと長くなるのかを説明しますね。
配合の中でも焼き時間に影響するのは砂糖の量です。
砂糖の量はパンの焼き色に大きく影響を与えます。
砂糖が多いパンは焼き色がつきやすくなり、反対に砂糖が入っていないパンは焼き色がつくのが遅くなります。
これは何となく感覚的に分かっていただけると思うのですがいかがでしょうか?
具体的には菓子パンなどの砂糖を多く配合するパンは焼き時間は短くなり、フランスパンなどの砂糖を配合しないパンは焼き時間が長くなります。
なぜパンの生地重量が焼き時間に影響するのか
焼くパンの生地重量によっても焼き時間は変わってきます。
全く同じ配合のパンでも40グラムの生地で作ったパンよりも80グラムの生地で作ったパンの方が焼き時間は長くなります。
パンを焼くと生地中の水分が蒸発し、生地に火が通ることでたんぱく質が固まりパンの骨格ができます。
当然ながら生地重量が多いパンの方が火通りが悪いので、水分の蒸発も火通りも遅くなります。
パンを焼く温度は関係ないの?
ここまでパンを焼く時間の説明をしてきましたが、パンを焼く温度についても気になると思います。
実は焼成温度はパンを焼く時間に影響しません。
確かに高温で焼けばすぐに焼けるし、低温で焼けば焼き上がるのに時間がかかります。
ですがそいういうことではなくて、パンを焼く時間の決め方に関して焼成温度は影響しないという意味なんです。
なぜなら焼成温度によってパンの焼き時間を決めるのではなく、パンの焼き時間をもとに焼成温度を決めるからなんです。
つまり「このパンは180℃で焼くから8分間焼く」ということではなく、「このパンは8分間で焼き上げたいから180℃にする」という考え方なんです。
優先順位が焼き時間の方が上なんですね。
なのでパンを焼く温度はパンを焼く時間に影響は与えません。逆なんです。
具体的なパンを焼く時間の例
それではいくつか具体的なパンを焼く時間の例を挙げていきます。
基本的にはレシピに書かれた焼成温度、焼成時間で焼いて下さい。レシピにそういった焼成条件が書かれていない場合に参考にしてもらえたらと思います。
- コッペパン(砂糖8%):生地重量45グラム→200℃で約8分
- 菓子パン(砂糖18%):生地重量40グラム→180℃で約8分
- フランスパン(砂糖なし):生地重量200グラム→240℃で約20分
大体この焼き時間が目安となります。
お使いのオーブンによっても多少変わってきますので目安として考えておいて下さいね。