ふんわり食感が長持ちするポーリッシュ法を使った角食パンの作り方・レシピ

どうも、パン職人のけんです。今回は角食パンを作っていくのですが、以前投稿した「基本の角食パン」とは違った製法で作っています。

今回使った製法は「ポーリッシュ法」です。

ポーリッシュ法はポーリッシュ種と呼ばれるドロドロの生地を仕込んで熟成させておき、それにその他の材料を加えて生地を作る製法です。

ポーリッシュ法で作ったパンはストレート法で作ったパンと比べてふんわり食感が長持ちし、フレーバーが良くなります。

特別な材料も必要なく、小麦粉と水、パン酵母(イースト)があればポーリッシュ種を仕込むことができます。

気を付けなければいけないのは、ポーリッシュ種は12~16時間の熟成期間が必要になるということです。

前日の夜に仕込んでおけば、翌日の午前中には使えます。そのあたりを考慮して、パン作りのスケジュールを組み立てる必要があります。

また、熟成は20℃前後の温度が適しているので、特に冬場は熟成中に種が冷えすぎないように注意する必要があります。

このように多少の手間は増えますがパンとしての質は向上するので、ポーリッシュ法はおすすめの製法の一つです。

今回のレシピではポーリッシュ種の熟成の風味が生きるように、油脂の半量をショートニングにしています。

油脂全量をバターで作るとバターの香りが強すぎて、熟成の風味が隠れてしまうように感じます。そのため、無味無臭のショートニングを併用しました。

もしバターの風味が好きであったり、ショートニングが無い、もしくは使いたくないという場合は全量バターでも構いません。

「パン作りを始める前に」をお読みでない場合は、先にそちらをご一読ください。このブログのレシピを使ってパン作りに挑戦する前に、知っておいてほしい注意事項を説明しています。

分からない用語があれば、「専門用語集」をご覧ください。

ポーリッシュ法を使った角食パンの使用材料

パン1個分のレシピ。食パン型(108×206×100mm、容量約2,200cc)使用。生地量合計約638g(182.3%)。

ポーリッシュ種

  • 強力粉:105g(30%)
  • 水:105g(30%)
  • インスタントドライイースト:1g(0.3%)

※インスタントドライイーストは正確には1.05gですが、計量のしやすさを考慮して1gとしています。

本生地

  • 強力粉:245g(70%)
  • 砂糖:17.5g(5%)
  • 塩:7g(2%)
  • 無塩バター:10.5g(3%)
  • ショートニング:10.5(3%)
  • 水:133g(38%)
  • インスタントドライイースト:3.5g(1%)

※カッコ内の数字はベーカーズパーセントです。

おすすめ材料・機材は、「製パン材料・機材」をご覧ください。

ポーリッシュ法を使った角食パンの作業工程

  1. ポーリッシュ種を作る(12~16時間)
  2. 材料を用意し生地を作る(30分)
  3. 一次発酵を行う(60分)
  4. 分割・まるめをする(5分)
  5. 生地を休ませる(ベンチタイム)(25分)
  6. 成形する(10分)
  7. 二次発酵を行う(50分)
  8. 焼成する(28分)

合計作業時間:約15時間28分~19時間28分

ポーリッシュ法を使った角食パンの作り方

  1. ポーリッシュ種の材料を全て計量し、容器に入れて混ぜ合わせます。20~22℃で12~16時間熟成させます。
  2. 材料を全て計量し、バター以外の材料(ポーリッシュ種含む)をボウルに入れてこねます。生地が滑らかになってきたらバターを加え、再び滑らかになるまでこねます。目標こね上げ温度26℃。
  3. 30℃で60分間一次発酵を行います。
  4. 生地を分割します。3等分し、断面や細切れ生地を内側に入れて表面をきれいに張らせます(まるめ)。
  5. 25分間生地を休ませます(ベンチタイム)。
  6. 生地を成形します。生地の大きなガスを抜き、きれいな面を下にしてめん棒で伸ばし、生地が傷まない程度にしっかりガスを抜きます。型の幅より少し小さくなるように左右から生地を折りたたみ、手前から張らせつつ巻いていきます。閉じ目をしっかり閉じます。


  7. 閉じ目が真下になるように型に入れます。入れるときは生地が片寄らないように均一に入れます。
  8. 38℃で約50分間二次発酵を行います。型の約8割まで生地が膨らめば二次発酵終了です。

  9. オーブン(200℃に予熱済み)に入れ、約28分焼きます。