天然酵母でパンを作るなら知っておくと便利な低温発酵のお話

どうも、パン職人Kenです。

天然酵母を使ったパン作りは酵母を作る所から始める楽しみがあるし、イーストとは違った風味を出せるのでいつかはチャレンジしてみたいと思っている方もいらっしゃると思います。

ですが天然酵母であるがゆえにパン作りが難しくなってしまうこともあります。

色々と難しいポイントはあるのですが、今回取り上げたいのは「発酵力」に関してです。

天然酵母はイーストと比べて非常に発酵力が弱いです。

イーストを使ってストレート法で食パンを作ると、仕込みから焼き上がりまでおよそ3時間半くらいかかりますが、同じ条件でイーストの代わりに天然酵母100%で食パンを作ると倍以上の時間がかかります。

この問題を解決するためには天然酵母100%でパンを作るのは諦めてイーストと併用してストレート法で作るか、製法を工夫する必要があります。

今回は製法を工夫する方法について説明していきますね。

 

天然酵母パンは低温発酵させるのがおすすめ

天然酵母パンでイーストを併用しない場合、ストレート法で作るのはあまり現実的ではありません。

朝に天然酵母パンの生地を仕込んで、焼き上がるのが夜ではスケジュールが立てづらいですよね。

ですから上手く工程を工夫し、もっと天然酵母パンを作りやすくする必要があります。

そのための具体的な方法が低温発酵なんですね。

「低温発酵させたらもっと発酵が遅くなっちゃうんじゃないの?」と思うかもしれませんが、その通りです。

あえて発酵を遅くすることで一晩生地を寝かせても過発酵にならないようにしておくんです。

前日に天然酵母パン生地を仕込んでおいて、翌日の開いている時間にパン作りを進められるようにしておくということですね。

実はプロの現場でも天然酵母パンは低温発酵させる作り方が主流です。

さすがに朝仕込んで夜に焼き上がるんじゃパンをお客様に提供できないですからね。

 

低温発酵で天然酵母パンを作る方法

低温発酵で天然酵母パンを作る場合、生地を仕込んで一次発酵を取った後に冷蔵庫で一晩寝かせます。

作るパンの配合や天然酵母の発酵力によって違いは出てくるのですが、26℃で捏ね上げた生地を28℃で1時間一次発酵させ、乾燥しないようにバットごとビニール袋に入れて冷蔵庫で15時間から20時間寝かせます。

その後生地温度が15℃前後になるまで温度を上げ、その後の工程(分割~)を進めていきます。

重要なのは分割する前の生地温度です。

ただでさえ発酵力が弱いのに、生地がしっかりと冷えていると発酵が非常に遅くなってしまいます。

必ず温度計を使って生地の中心温度が15℃前後まで上がっているのを確認してからその後の工程を進めるようにして下さいね。

 

初めての天然酵母パン作りはホシノ天然酵母がおすすめ

天然酵母と言うとリンゴやレーズンから種を起こすイメージがあると思います。

もちろんこれらから天然酵母種を起こすことはできるのですが、天然のものなので上手く種ができる保証はありませんし、できても上手く発酵してくれるか分かりません。

そういった種を育てる楽しみも含めて天然酵母パンの魅力ではあるのですが、失敗すると悲しいのも事実。

なので初めての天然酵母パン作りはホシノ天然酵母を使うのが個人的にはおすすめです。

ホシノ天然酵母は天然酵母の元となる種が顆粒状になってパッケージされていて、お湯と混ぜて一日置いておくことで完成します。

天然酵母ではありますが管理された工場で作られているので、定められた種の起こし方さえ間違わなければ必ず天然酵母種を起こすことが出来ます。


こちらの記事でも説明しているので、まずはホシノ天然酵母からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

もちろんホシノ天然酵母でも低温発酵で美味しい天然酵母パンを作ることが出来ますよ!