どうも、パン職人Kenです。
私は主にフランスパンを作る時はオーバーナイト法という製法を使うことが多いです。
オーバーナイト法とはパンを焼きたい日の前日に生地を仕込んでおき、冷蔵庫で一晩寝かせて風味や旨味を引き出す製法です。
上で紹介した動画や記事でも説明していますが、オーバーナイト法を活用すると味が良くなるだけでなく、工程を分割することでパン作りのために長時間確保できなくてもパン作りができるというメリットもあるんですよね。
オーバーナイト法では生地を冷蔵庫で一晩寝かすため、当然翌日生地は冷えています。
このままではパン生地はうまく発酵してくれないため、生地温度をもどす「復温」という工程が必須になりますが、ここについて詳しく説明していなかったなと。
やることは「生地温度を15℃前後まで上げる」ということなんですが、具体的にどうやればいいのか、どんなことはしない方が良いのかなどの気を付けるべき注意点について説明していきます。
必ず温度計を用意しよう
まず必ず用意しないといけないのが温度計です。
温度計で生地の中心温度を測ります。生地の上面と中心では温度に差が出ますから、必ず中心温度を測るようにしましょう。
ここはきっちりと温度計で測ってください。「触った感じあったかいから大丈夫かな…」は危険です!
感覚で作業を進めてしまうとたまたま上手くいったときは良いですが、失敗してしまうこともあります。
特に季節によっては温度が上がりやすかったり上がりにくかったりしますし、生地を触った時の温度の感じ方も変わってきますので必ず温度計を用意して下さいね。
具体的な生地温度の戻し方
オーバーナイト法でパンを作る場合、生地を捏ねた後はボウルやタッパーに入れた状態で冷蔵庫に入れていると思います。
この状態から生地温度をもどす際はそのまま室温で置いておくか、オーブンレンジの発酵機能で30℃に設定して入れておくといいです。
夏場なら室温に置いておけば(生地の量にもよりますが)1時間程度で生地温度が戻ると思いますし、30℃の発酵室でも1時間以内には戻ると思います。
ポイントは乾燥させないことと、生地を締めないことです。
パン生地は乾燥に非常に弱いので必ずラップやフタをした状態で復温して下さい。冷蔵庫に入れる際にはラップやフタをしているはずなのでそのままでOKということですね。
また、一晩寝かせた生地は膨らんでいるはずですが、そのままでOKです。ガスを抜かずに(=生地を締めずに)そのまま復温して下さい。
以前「生地温度を戻す際には一度生地をまるめた方がいい?」という質問を見かけたことがありますが、まるめなくてOKです。
生地を締めてしまうと温度が戻りづらくなり、表面と中心の温度差もできやすくなってしまいますからね。
【裏技】どうしても急いで生地温度を戻したい場合
諸々の都合で生地温度を戻すのに1時間もかけられない!という場合もあるかもしれません。
そんな時には生地温度をいち早く戻すためのちょっとした裏技があります。
急いで生地温度を戻したい場合は、冷たい生地を分割してしまい、まるめずに切りっぱなしの状態で温度を戻してください。
大きな塊の状態より小さくしてしまった方が温度は上がりやすいですよね。ただ生地を締めてしまうと時間がかかってしまうので、まるめずに切りっぱなしで温度を戻すわけです。
ただ、分割してしまうと乾燥も早くなるので乾燥対策は十分にして下さいね!