どうも、パン職人Ken(@pansyokunin_ken)です。
今回は上手なパン作りのための第一歩として、パン作りの工程を学んでいきましょう。
パンにはいろんな種類がありますが、基本的にはどんなパンでも作業の流れ(工程)は同じです。
どんな流れでパンは出来上がっていくのか、美味しいパン作りのための全体像をしっかりと頭に入れてパン作りを始めていきましょう!
目次
パン作りの全工程
パン作りの工程は全部で9つあります。全て挙げると
- 仕込み(生地作り)
- 一次発酵
- パンチ
- 分割・まるめ
- ベンチタイム
- 成形
- 二次発酵
- 仕上げ
- 焼成
この9つです。
パンの種類や製法によってはこの通りでないものもありますが、パン作りは基本的にこの流れで進んでいきます。
1.仕込み
仕込みはパン生地を作る作業です。
パン作りのスタート地点であり、パンの美味しさは仕込みで8割決まると言われるほど重要な工程です。
作りたいパンによって配合は様々です。パン作りの本やレシピ等をしっかりと確認し、材料の量り間違いや入れ忘れが無いように注意しましょうね。
実は計量ミスや入れ忘れはプロのパン職人でもたまにやってしまうミスなんですよ!
また、上手にパンを作るためにはこねあがった時の生地の温度(こね上げ温度)を適正にすることが重要です。
適正なこね上げ温度はパン生地の種類によって違うので、これもしっかりとレシピを見て把握しておきましょう。
【参考記事】パン作りの基本にして工程のスタート地点|パン生地の「仕込み」とは?
2.一次発酵
一次発酵はこね上がったパン生地を休ませ、熟成させる工程です。
「熟成」というのがポイントで、しっかり一次発酵を行い生地を熟成させることで、 味や香りが良く、旨みのあるパンになります。
こね上がったパン生地を温かいところに置いておくと膨らむのでそのまま焼いてもパンにはなりますが、それだと熟成が足りないので香りや味が劣るパンになってしまいます。
いきなり膨らませて焼くのではなく、適正な温度と時間を守って一次発酵を行いましょう。
【参考記事】上手な一次発酵が美味しいパンの決め手!|一次発酵の基本的なやり方と注意点
3.パンチ
パンチは一次発酵途中のパン生地のガスを抜き、折りたたむことで生地に力をつけ、発酵を促進させる作業です。
パンチはどのパンでもやるとは限りません。パンの種類によってやったりやらなかったり、やるとしてもどのタイミングでやるのか、何回やるのかなどの違いがあります。
ホームベーカリーやスタンドミキサーをお持ちの方は機械の力でしっかりとパン生地をこねることができるのでパンチが不要な場合もありますが、手でこねる場合はどうしてもこねが足りなくなりがちなのでパンチをした方が安定してパンのボリュームを出すことが出来ます。
【参考記事】ガス抜き&発酵促進!|ふわふわのパン作りに必要な工程「パンチ」とは
4.分割・まるめ
分割は一次発酵が終わった生地を必要な大きさ(重量)で切り分ける作業で、まるめは切り分けた生地の断面を隠し、表面をきれいに張らせる作業です。
小型のパンの場合は一次発酵が終わった生地を切り分けて使うことになりますが、適当に切ってしまうと大きさがバラバラになり焼きムラができたり、発酵の見極めが難しくなるのでキッチンスケールを使って量りながら分割した方が良いです。
切り分けた生地の断面はそのままだとべたついて作業性が悪く、その後の作業がしにくくなるのできれいにまるめた状態でこの後のベンチタイムを行うようにしましょう。
【参考記事】きれいな成形の前準備|生地のグラムをそろえる「分割」と「まるめ」とは
5.ベンチタイム
ベンチタイムはまるめによって締まった生地が緩むのを待つ時間です。
まるめをすることで生地に力がかかり、生地の中のガスが抜け、生地が締まって伸びなくなります。
この状態ではすぐに成形をすることができないため、生地が緩んで伸びやすくなるまでベンチタイムをとりましょう。
【参考記事】成形前に生地を休める工程|きれいなパン作りのための「ベンチタイム」とは
6.成形
成形はパン生地を加工し、最終的なパンの形に形作る作業です。
作りたいパンによってパン生地を薄く伸ばしたり、細長く伸ばしたり、包んだり、巻いたりと色々な加工方法があります。
上手に成形できるかどうかで、最終的に焼き上がったパンの見栄えが大きく変わります。
いきなり上手に成形できる訳ではありません。何度も何度もチャレンジして、自分で納得できる様な成形技術を身に付けましょう。それもパン作りの楽しみの一つだと私は思います。
【参考記事】美味しいパン作りのために身に付けておきたい「成形の基本」とは
7.二次発酵
二次発酵は成形の済んだパンを発酵させ、適正なボリュームになるまでパンを膨らませる工程です。
二次発酵は最終的なパンの品質に大きく影響します。二次発酵は短すぎても長すぎてもパンの美味しさを損なってしまうんですよね。
二次発酵を適正に行うというのはパンの品質にとってとても重要なことなんですが、適正な状態を見極めるのはとても難しい!
「発酵具合」というのは数字で見ることが出来ませんし、適正なボリュームするために「○○分発酵させる」という目安はレシピに書いてありますが、生地の温度や室温によってズレるので目安にしかなりません。
結局は目で見て発酵具合を見極めることになりますが、これも先ほどの成形同様いきなり完璧な見極めが出来る訳ではありません。何度もチャレンジして発酵を見極める目を養っていきましょう。
【参考記事】二次発酵の基本と注意点とは【パン生地をふわふわに膨らませよう】
8.仕上げ
仕上げは二次発酵を終えたパンに対して、焼く直前に行う様々な作業です。
例えば、
- 焼き上がったパンの表面にツヤを出すために卵を塗る(塗り卵)
- パンに具材をトッピングする
- フランスパンの表面にカットを入れる(クープ)
- 見栄えを良くしたり、練り込んだ具材の焦げを防ぐためにパンに粉を振る
等々、このような作業をまとめて仕上げと呼んでいます。
塗り卵やクープを上手に行うためには慣れが必要です。こちらも何度もチャレンジして技術を磨きましょう。
【参考記事】パンをきれいに焼き上げるための一手間|パン作りの「仕上げ」とは
9.焼成
焼成はパンを焼き上げる作業です。
パン作りの最後の工程で、焼き具合でパンの出来が大きく変わってくるため重要な工程でもあります。
パン職人は英語では「baker」ですが、「焼く人」という意味ですよね。それほどパン作りの中で焼成は非常に重要な工程であることを表しています。
焼成温度と焼成時間をしっかりと確認し、パンを美味しく焼き上げましょう。
パンによっては焼成時にスチームが必須になるパンもあります。また、焼成直後にショック(軽く衝撃を与える)をしないと冷めた時にしぼんでしまうパンもあるので注意が必要です。
まとめ
改めてパン作りの工程をまとめると、
- 仕込み(生地作り)
- 一次発酵
- パンチ
- 分割・まるめ
- ベンチタイム
- 成形
- 二次発酵
- 仕上げ
- 焼成
このようになっています。
上手なパン作りのための第一歩として、まずはパン作りの工程を覚えておきましょう。詳細についてはそれぞれ別記事で解説していますのでそちらもぜひご覧ください!