どうも、パン職人のけんです。
今回焼いたのはライ麦を50%配合したミッシュブロートですが、オーツ麦(オートミール)を練りこみ、パウンドケーキ型に入れて焼き上げました。
オートミールはそのまま練りこむのではなく、水と合わせてレンジで加熱し、糊化させたものを使います。
ドイツパン作りでは、穀物と水を合わせて煮たもの(コッホシュトゥック、kochstück)を生地に練りこむことがありますが、それと同じような製法です。
今回は煮る代わりに、簡易的な方法としてレンジで加熱しています。
穀物を糊化させるとでんぷんと水が結合し、水を抱えてくれます。
これをパン生地に練りこむことで、よりしっとりとした食感のパンを作ることができます。
このパン生地は柔らかく、水分を多く含んでいます。
そのためクラスト(外皮)は香ばしさがありながらも歯切よく、クラム(中身)はとてもみずみずしいです。
今回はイーストは使用せず、ライ麦サワー種のみでパンを膨らませ、焼き上げました。
ライ麦サワー種のまろやかな酸味と旨味、そして水分量の多さからくるソフトな食感により、ライ麦を50%配合しながらも食べやすいパンになりました。
「パン作りを始める前に」をお読みでない場合は、先にそちらをご一読ください。このブログのレシピを使ってパン作りに挑戦する前に、知っておいてほしい注意事項を説明しています。
分からない用語があれば、「専門用語集」をご覧ください。
目次
オートミールを練りこんだライ麦パンの使用材料
パン1個分のレシピ。パウンドケーキ型(205×77×60mm、容量約830cc)使用。生地量合計約515g(206%)。
サワー種
- ライ麦全粒粉:100g(40%)
- 水:100g(40%)
- 初種(ライ麦、TA200):20g(8%)
- 塩:2g(0.8%)
コッホシュトゥック
- オートミール:25g(10%)
- 水:75g(30%)
本生地
- サワー種全量
- コッホシュトゥック全量
- 強力粉:62.5g(25%)
- 中力粉:62.5g(25%)
- ライ麦全粒粉:15g(6%)
- 水:50g(20%)
- 塩:3g(1.2%)
※カッコ内はベーカーズパーセント。
※強力粉と中力粉は準強力粉(フランスパン用粉)に置き換え可。その場合は125g(50%)の準強力粉(フランスパン用粉)を使用する。
オートミールを練りこんだライ麦パンの作業工程
- サワー種を作る(12~16時間)
- コッホシュトゥックを作る(5分)
- 材料を用意し生地を作る(20分)
- 一次発酵を行う(30分)
- 成形する(5分)
- 二次発酵を行う(100分)
- 焼成する(45分)
合計作業時間:約15時間20分~19時間20分
※コッホシュトゥックはサワー種完成前に用意しておくことができるので、合計作業時間には含めていない。
オートミールを練りこんだライ麦パンの作り方
- サワー種の材料を全て計量し、ボウルに入れて混ぜ合わせます。20~22℃で12~16時間熟成させます。
- オートミールと水を耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(600w)で1分半加熱します。加熱後30分程度置いて粗熱をとりつつ、しっかりと吸水させます。
- 残りの材料を全て計量し、サワー種全量、コッホシュトゥックと共にボウルに入れてこねます。目標こね上げ温度28℃。
- 20~22℃で30分一次発酵を行います。
- 生地を成形します。型の幅に合わせて手のひらで生地を軽く伸ばし、生地の端から端まで巻くように成形します。
- 閉じ目を下にして型に入れます。上から軽く押さえ、生地の厚さが均一になるようにします。
- 霧吹きで水を吹きかけ、オートミール(分量外)をまぶします。
- 20~22℃で約100分二次発酵を行います。
- オーブン(250℃に予熱済み)に入れ、すぐにスチームを入れます。5分焼いたら210℃に落として約40分焼きます。