どうも、パン職人Kenです。
今回はパン作りで使うドライイーストと生イーストは何が違うのか、どう使い分けるのかについて説明をしていきますね。
目次
パン作りで使うドライイーストと生イーストはここが違う!特徴的な違い5つ
「パンを膨らませる」という働きに関しては同じドライイーストと生イーストですが、もう少し細かく見ていくとこの2つには特徴的な違いがあります。
この特徴的な違いをしっかりと知っていただき、普段のパン作りに活かしていって下さいね!
1.ドライイーストと生イーストは保存性が違う
特徴的な違いの一つ目はドライイーストと生イーストでは保存性が全く違うというところです。
ドライイーストはさらさらの顆粒状で乾燥しています。イーストを乾燥させることでイースト菌の発酵をストップしているので封を開ける前であれば室温で長期保存することが出来ます。
それに対し、生イーストはしっとりとして水分を含んでいます(ぽろぽろと崩れやすい粘土といった触感)。この状態のイースト菌は生きているので冷蔵保存しておかなければ勝手に発酵し続けて最終的には発酵力が落ちてしまいます。
ドライイーストであれば封を開けた後でもしっかりと口を閉じて冷蔵保存すればある程度保存がききますが、生イーストはできるだけ早く使いきらなければいけません。
2.ドライイーストはパン作りの際に予備発酵が必要
特徴的な違いの二つ目はドライイーストはパン作りの際に予備発酵が必要というところです。
予備発酵というのはドライイーストと砂糖、お湯を混ぜて予め発酵をさせておくことです。ドライイーストは乾燥させることでイースト菌が眠った状態にしていますが、眠ったイースト菌をいきなり生地に混ぜ込んでも良い発酵はしてくれません。
眠ったイースト菌を優しく起こし、これからしっかり働けるように準備運動をさせるのが予備発酵なんですね。
それに対し、生イーストはイースト菌が起きていますから予備発酵は必要ありません。
ただし、「インスタント」ドライイーストであれば予備発酵は不要です。ドライイーストを買う際はドライイーストとインスタントドライイーストを間違えないようにしましょう。
3.ドライイーストと生イーストではパンの発酵速度に違いがある
特徴的な違いの三つ目はドライイーストと生イーストではパンの発酵速度に違いがあるところです。
これは私が長年パン作りに携わってきた経験から感じることなのですが、ドライイーストで作ったパンは発酵の出だしが遅く、後からグッと発酵が早くなる印象があります。
それに対し、生イーストで作ったパンは最初から安定して発酵し、後から発酵力が落ち着いてくる印象があります。
比較的発酵時間の短い食パンや菓子パン、コッペパンなどのパンを作る場合は生イーストを使うと最初から安定して発酵するので私は安心します。また、長時間発酵させるフランスパンなどはドライイーストを使うことが多いですね。
4.ドライイーストと生イーストではパン生地に入れる量が違う
特徴的な違いの四つ目はドライイーストと生イーストではパン生地に入れる量が違うというところです。
ドライイーストはイーストをギュッと濃縮し乾燥させているため、もしイースト以外の配合が全く同じレシピでそれぞれのイーストを使うとしたらドライイーストの方が配合量が少なくなります。
ドライイーストの種類によっても異なりますが、生イーストを100グラム入れるレシピがあったとしたらドライイーストを40~50グラム入れると同じ発酵力が得られると言われています。
5.ドライイーストで作ったパンは発酵臭が弱い
特徴的な違いの五つ目はドライイーストで作ったパンは発酵臭が弱い(もしくは無い)というところです。これはドライイーストの種類にもよります。
発酵臭というのはパン生地が発酵した時に感じる香りで、アルコールのような香りや酸味のある香りが混ざった独特の甘い香りです。
これは発酵臭がするから良い悪いということではなく、好みや作りたいパンの種類によって発酵臭が有った方が良いのか無い方が良いのか変わってきます。
食パンや菓子パンなどは発酵臭を感じるものの方が一般的かなと思いますが、フランスパンなどはあまり発酵臭を感じないものの方が一般的かなと思います。
もちろんこれは個人の好みの問題なので食パンをドライイーストで作ってはいけないなんてことは無いですし、フランスパンを生イーストで作ってはいけないなんてこともまたありません。
パン作りをする際にドライイーストと生イーストはどう使い分ければいい?
ここまでドライイーストと生イーストの特徴的な違いについて説明してきましたが、次にこの2つはどういった基準で使い分ければいいのかを説明していきますね。
プロの現場であれば使い分けの基準はやはり味と香りです。
作りたいパンはどんな味なのか、どんな香りがしてどんな風味なのか、その味のためにどれくらいボリュームを出すのか、どれくらい発酵時間をとるのかなど、出来上がりから逆算してドライイーストと生イーストどちらを使うのか判断します。
ただ、家庭でのパン作りとなるとそこまでこだわるのは難しいと思います(もちろんそこまでこだわれたらすごいと思います)。
ですから家庭のパン作りでドライイーストと生イーストを使い分ける基準は保存性で判断すればいいのではないかなと私は思います。
先ほど説明した通り、ドライイーストと生イーストでは保存性が全く違います。ドライイーストは比較的長期間保存がききますが生イーストはできるだけ短期間で使い切る必要があります。
もしあなたが普段パン作りの頻度があまり多くなく、また一度に作る量もそこまで多くないのであればドライイーストを使った方が便利だと思います。
生イーストの場合は使いきれなかったときに捨てなければいけないのでもったいないですが、ドライイーストであれば封を開けても残りを冷蔵保存しておけばある程度保存がきくのでそちらの方が良いかなと思います。
もしあなたが普段から頻繁にパン作りを楽しんでいて、作る量も多いのであればどちらを使っても良いでしょう。その際の使い分けとしてはフランスパンなど長時間発酵させて焼き上がりの香ばしさを楽しむようなパンにはドライイーストを、食パンや菓子パンなど比較的短時間の発酵で、発酵の甘い香りが合うようなパンには生イーストを使うと良いと思います。
頻繁にパン作りをしない方にはこのドライイーストがおすすめ!
頻繁にパン作りをしないのであればドライイーストの方が便利なのは先ほど説明しましたが、その際におすすめなドライイーストがあります。
そのドライイーストとは「サフ インスタントドライイースト金」です。
この「サフ インスタントドライイースト金」、通称「金サフ」がおすすめなのは何と言っても便利だからです。
金サフはインスタントドライイーストなので予備発酵が不要で、生イーストと同じように扱うことが出来ます。それでありながら長期間保存できるので使いきれなかったときに無駄がありません。
またドライイーストは砂糖を多く配合するパンには向かないのですが、金サフは砂糖を多く配合したパンにも対応しています。もしパン作りを楽しむ頻度が少ないのであれば、金サフ一つ持っておけば全てのパンに対応できるので非常に便利でおすすめですよ。